【患者】60代後半、男性
【主訴】右手の親指側が痺れる。特に痺れは夜寝ている間に強くなってきて睡眠に差し支える。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約5年前に、特に誘因なく右手指に痺れが発生し継続している。自然治癒を期待し医療機関は受診していなかったが、最近夜中に症状が強くなってきたため来院。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】60代後半、男性
【主訴】右手の親指側が痺れる。特に痺れは夜寝ている間に強くなってきて睡眠に差し支える。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約5年前に、特に誘因なく右手指に痺れが発生し継続している。自然治癒を期待し医療機関は受診していなかったが、最近夜中に症状が強くなってきたため来院。
続きを読む【現症】右手関節から母指・示指・中指の掌側と手背部にかけて痺れ感あり。関節可動時に症状の増悪はない。
【検査結果】エコー検査にて、手根管内での正中神経の軽度圧迫所見あり。
【施術と結果】本症例は、手関節から母指・示指・中指の指尖にかけて痺れを感じていることから、手関節掌側に筋緊張亢進があると考えた。触察にて、健側と比して明確な緊張亢進部分は確認できなかったが、緊張が強いと感じられる箇所への施術をまず行う事とした。
まず施術者①の施術開始から約1分30秒程で、痺れは主観で3割減となった。変化が見られた事から、同部位への施術を継続する事とした。
次に施術者②に交代し施術を継続。約1分で同部位の弛緩は確認できたが、痺れは変化無しとの事から、肘関節内側の動脈付近の筋緊張亢進を疑い、触察にて筋緊張の強いとみられる箇所を確認、そこを施術箇所とした。
約5分で同部位の筋弛緩を確認。痺れは約4割減とやや改善した。この後は、約5分の弛緩でも痺れに変化が見られなかった事から、上肢への血流に関係する鎖骨下動脈や腋窩周辺の筋緊張に関係すると考えられる腰部への施術を行った。施術者①②にて合計約20分実施。最終的には、痺れの強さの主観には変化が見られなかったが、痺れを感じる範囲は縮小した。
「痺れてる範囲が手首あたりからだったのが、指先だけになったよう。腰の筋肉が腕に関係するという話は初めて聞いた。今後治す為に考えていきたい。」と痺れの範囲が減少した事と、新しい経験の感想報告を受けた。
【考察】手根管症候群という診断名が付いていても、手根管外の筋弛緩を得る事で手指の痺れを改善させることができる、ということが証明された一例であった。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①筆者②渡邉の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者①が行った。