【患者】70代後半、女性
【主訴】左手が痺れて針仕事ができない。母指と示指をつけて丸を作ることができない。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約3年前に特に誘因なく左手指に痺れが出始めた。他院整形外科を受診し、注射や内服薬の治療を行ったが、現在も痺れは継続している。約3週間前から左手の痺れが強くなり、リハビリに通い始めたが、症状の改善が乏しいため来院。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】70代後半、女性
【主訴】左手が痺れて針仕事ができない。母指と示指をつけて丸を作ることができない。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約3年前に特に誘因なく左手指に痺れが出始めた。他院整形外科を受診し、注射や内服薬の治療を行ったが、現在も痺れは継続している。約3週間前から左手の痺れが強くなり、リハビリに通い始めたが、症状の改善が乏しいため来院。
続きを読む【現症】左母指から中指にかけて指尖部周辺に痺れを認めた。
【検査結果】手指の運動麻痺なし。
【施術と結果】本症例は、明確な誘因なく発症していることから、前腕から体幹にかけての筋緊張が関与している可能性を考えた。触察にて手関節・前腕近位部・肘関節周辺・肩甲骨周辺および腰部に筋緊張亢進と思われる部分を確認したため、末梢から中枢へ向けて施術を行う方針とした。
まず施術者①が手関節周辺を約30秒施術したが変化は認められなかった。続けて前腕近位および肘関節周辺を約2分施術したが、症状の変化は認められなかった。更に肩甲骨周辺を約1分30秒施術したところ、筋弛緩を触知できた。「痺れが少し軽くなった」と、主観で2割軽減した。
変化が確認されたが、より体幹の影響を確認する目的で施術者②に交代し、腰部側面への施術を行うこととした。施術開始から約7分で弛緩を触知し、痺れは主観で4割軽減したとの報告を受けた。
この時点で別症状の訴えがあったため、本症例への施術は終了とした。
【考察】本症例は、誘因なく発症した左手指尖部の痺れに対し、末梢部位のみでは変化が乏しく、体幹、特に腰部への施術で改善が認められた一例である。肩甲帯および腰部の筋緊張が上肢末梢の感覚異常に影響を及ぼしていた可能性が示唆され、局所症状であっても全身的な筋緊張の評価と施術が重要であることを示す症例と考えられた。
【その他】施術は施術者①(渡邉)と施術者②(筆者)が交代しながら行った。施術者が異なっても緩消法の効果が現れた症例であった。