【患者】50代前半、女性
【主訴】仕事に差し支えるほどではないが、左腕が痺れている。触っても感覚がない感じがして気持ち悪い。
【既往歴】高血圧・更年期障害(近医に通院中)、頚椎捻挫(詳細不明)
【現病歴】約1年前より、狭い場所で前屈み姿勢を長時間維持する業務に従事。約2ヶ月前より左手の痺れが出現し、徐々に感覚の消失(鈍麻)を自覚するようになった。症状が改善せず、不安感が募ったため来院となった。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】50代前半、女性
【主訴】仕事に差し支えるほどではないが、左腕が痺れている。触っても感覚がない感じがして気持ち悪い。
【既往歴】高血圧・更年期障害(近医に通院中)、頚椎捻挫(詳細不明)
【現病歴】約1年前より、狭い場所で前屈み姿勢を長時間維持する業務に従事。約2ヶ月前より左手の痺れが出現し、徐々に感覚の消失(鈍麻)を自覚するようになった。症状が改善せず、不安感が募ったため来院となった。
続きを読む【現症】左手関節から環指・小指にかけて顕著な痺れを自覚している。また、左手部全体において感覚鈍麻の状態を呈していた。
【施術と結果】本症例は、就労環境における不良姿勢の継続が誘因と考えられた。特に小指側の症状が強いことから、尺骨神経の走行に沿った絞扼を疑い、まずは肘関節内側の動脈付近の筋緊張部位よりアプローチを開始した。
施術者①による施術開始から約30秒で弛緩を触知。「触れられた感覚が戻ってきた」との報告があり、触覚は主観で約1割増に改善した。変化が確認されたため、同部位への施術を継続した。
次に施術者②に交代し同部位を継続したが、約2分経過してもさらなる変化が見られなかったため、施術部位を手関節尺側の尺骨神経が走行していると思われる箇所へ変更。約2分間の施術により、触覚は主観で3割増まで改善した。しかし、その後同部位を継続しても変化が停滞したため、改めて問診を行ったところ「過去のスポーツ経験において頚部の負傷を繰り返していた」との情報を得た。これにより、末梢だけでなく中枢側の関与を疑い、頚部左側への施術へ移行した。
続けて施術者②により頚部への施術を約15分間実施したところ、触覚は主観で5割増まで改善。その後、計約25分間施術を実施した。最終的に痺れのほうも、主観で約4割減となっていた。
【考察】本症例は、職業上の不良姿勢による末梢での絞扼(肘・手関節)と、過去の負傷歴に起因する頚部筋群の慢性的な過緊張が複合的に関与していたと考えられる。多角的な視点で緊張部位を特定し、確実に筋弛緩を促すことで、短時間のうちに知覚の改善が可能であることを示す事例となった。今後、頚部および上肢帯の筋緊張をさらに改善させていくことで、更なる改善が期待できると思われる。
【その他】施術は施術者①(渡邉)と施術者②(筆者)が交代しながら行った。施術者が異なっても緩消法の効果が現れた症例であった。