約10年前から続く精神薬の影響とみられる頚部後面痛が改善した例

【現症】頚部関節可動域（以下、ROM）は自動で後屈約20°で頚部後面に運動時痛が発生し、ROM制限がある。頚部に安静時痛は確認できない。抗うつ剤の添付文書には、副作用としてよく背部痛、頚部痛が記載されている。

【施術と結果】本症例は、約10年前から続く頚部後屈動作での頚部後面の運動時痛であり、精神薬の影響とみられる運動痛と可動域制限がみられた。目視および触察により腫脹や熱感は確認できなかったことから、頚部後屈筋群の筋緊張による血行不良が一つの要因であると考えた。

　筋の収縮時における痛みのため、筋硬結もしくは癒着様による痛みと推測した。

　はじめに、頚部ROM自動後屈約20°で最も痛みを感じる部位を示指で示してもらったところ、触察により頚椎第3突起周辺に筋硬結様を確認した。

　同部位周辺に緩消法を約2分施術し、その結果、頚部後屈動作20°での頚部後面の痛みは10から5（NRS改変）と小さくなった。また、頚部ROMは自動で後屈約40°と大きなった。

　次に、頚部ROM自動左側屈約40°で最も痛みを感じる部位を示指で示してもらったところ、同部位だったので同部位周辺に緩消法を約5分施術し、筋弛緩を確認した。その結果、頚部左側屈動作での頚部右側面の痛みは10から0（NRS改変）に消失し、頚部ROMは自動で後屈約55°となり、可動域制限は認められなかった。

　施術後、「首が痛くない。楽になった！」と話され、大変喜ばれた。