【患者】70代後半 男性
【主訴】「咳と同時に胸の苦しさで、呼吸が辛い。横になることも出来ない。」
【既往歴】小児喘息、椎間板ヘルニア(二度手術歴あり)
【現病歴】半年ほど前から、咳と喘鳴を伴う呼吸のしづらさが継続していた。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】70代後半 男性
【主訴】「咳と同時に胸の苦しさで、呼吸が辛い。横になることも出来ない。」
【既往歴】小児喘息、椎間板ヘルニア(二度手術歴あり)
【現病歴】半年ほど前から、咳と喘鳴を伴う呼吸のしづらさが継続していた。
続きを読む【現症】朝から咳の状態が悪化し、気管が狭くなり喘鳴が強く出ていると感じるとの訴えがあった。声量もかなり細くなっていた。
【施術と結果】本症例は、喘息発作様の症状を訴えていたため、脊髄から気管支への支配神経が出ている起立筋群の筋緊張が要因であると考えられた。触察にて、第5、第6胸椎高位の右側起立筋群に硬結様の緊張を確認し、当該部位を施術開始箇所とした。
約5分の施術で弛緩を触知し、同席のご家族も見てとれるほどに呼吸の改善が見られた。主観で約4割、呼吸が楽になったと報告を受けた。効果が見られたことから、同部位への施術を継続することとした。
施術の継続から約15分で、喘鳴は主観で10から2ほどまで少なくなったと報告を受けた。時間の関係からここで施術は終了となったが、翌日には、問題を感じない程度まで回復したとの報告を受けた。
【考察】本症例は、長期間継続していた咳と呼吸困難に対し、気管支への支配神経に関連すると推察される胸椎高位の起立筋群へアプローチすることで、短時間での症状改善が確認された。特に、横になることも困難な状態であったものが、即時的な改善と翌日の大幅な回復が見られたことから、胸郭周辺の筋緊張が呼吸器系の症状の要因となる可能性を示唆するものである。