【患者】40代後半 男性
【主訴】「2週間ほど前に、ぎっくり腰で仕事を休んでしまった。その後、仕事が出来る程度には回復しているが、まだ違和感が残っている。」
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】10代の頃から、数年に一度の頻度で急性腰痛症を発症している。今回は約2週間前に急な腰の痛みで近医整形外科を受診し、急性腰痛症と診断された。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】40代後半 男性
【主訴】「2週間ほど前に、ぎっくり腰で仕事を休んでしまった。その後、仕事が出来る程度には回復しているが、まだ違和感が残っている。」
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】10代の頃から、数年に一度の頻度で急性腰痛症を発症している。今回は約2週間前に急な腰の痛みで近医整形外科を受診し、急性腰痛症と診断された。
続きを読む【現症】復職可能な状態のため、強い痛みは特に訴えていない。しかし、第3腰椎高位の腰部起立筋周辺に違和感が残存しているとの訴えがあった。
【施術と結果】本症例は、10代の頃から繰り返す腰痛であることから、腰部側面の筋緊張が要因であると考えられた。腰部中心から左右差なく違和感があるとのことであったため、腰部側面を左右同時に施術を開始することとした。施術開始前の押圧深度は、左右共に約1.5cmであった。
施術開始から約10分で押圧深度は左右約3.0cmと約1.5cm増となり、違和感は主観で10から2に軽減したとの報告を受けた。変化が認められたことから、同部位への施術継続を決定した。
続けて約15分の施術で、押圧深度は左右約1.0cm増の約4.0cmとなり、違和感は主観で10から0へと消失したとの報告を受けた。患者からは「こんなに弱い圧で本当に軟らかくなって違和感が減るとは思えなかった。これから、再発の予防を考えていきたい。」と驚きと喜びの報告を受けた。
【考察】本症例は、繰り返す急性腰痛症の原因が、腰部側面の長期にわたる筋緊張にある可能性を示唆するものである。強い圧力をかけずとも、筋緊張を弛緩させることで、残存する違和感といった軽微な症状であっても、即座に改善が見られることが確認できた。この結果は、症状の改善だけでなく、再発予防における筋弛緩の重要性を示唆するものであり、今後の治療方針において筋緊張の評価が重要であることが考えられる。