【患者】40代後半 女性
【主訴】「肩が上がらなくて困っている。」
【既往歴】肩関節周囲炎
【現病歴】3年ほど前、肩の痛みが発症し、近医整形外科にて肩関節周囲炎と診断された。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】40代後半 女性
【主訴】「肩が上がらなくて困っている。」
【既往歴】肩関節周囲炎
【現病歴】3年ほど前、肩の痛みが発症し、近医整形外科にて肩関節周囲炎と診断された。
続きを読む【現症】右肩関節の自動屈曲可動域(以下、ROM)は、屈曲約110°・外転約100°で痛みを伴う可動域制限が認められた。
【施術と結果】本症例は、同時に別の症状も訴えていたことから、腰部側面から上前腸骨棘周辺の筋緊張が本症状および別の症状の要因であると考え、施術開始箇所とした。なお、反対側にも同様の症状があるため、患側と健側の比較はできなかった。
施術開始から約3分で筋緊張の弛緩が触知され、ROMは屈曲約120°、外転約110°に改善が見られた。また、施術前のROMでの痛みは10から3(NRS改変)に軽減したとの報告を受けた。変化が認められたことから、同部位への施術継続を決定した。
合計約25分の施術で、施術開始前のROMでの痛みは10から0(NRS改変)と消失し、終了後のROMは屈曲約170°、外転約1140°に改善が見られた。
「一回でここまで変わるとは思わなかった!再発させないようにしたい。」と喜びの報告を受けた。
【考察】本症例は、肩関節周囲炎と診断され、長期にわたる可動域制限と痛みを伴う症状であっても、その要因が遠隔部位(この症例では腰部)の筋緊張にある可能性を示唆するものである。短時間の施術で症状が大幅に改善したことから、筋緊張の弛緩が症状軽減に大きく寄与したと考えられる。この結果は、症状のある部位だけでなく、関連する筋群を広範囲に評価することの重要性を示している。