【患者】40代後半 女性
【主訴】「しゃがみ込んでしまうと、立ち上がるときに、手で膝を支えないと立ち上がれない。」
【既往歴】肩関節周囲炎
【現病歴】約5年前に誘因なく発症した。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】40代後半 女性
【主訴】「しゃがみ込んでしまうと、立ち上がるときに、手で膝を支えないと立ち上がれない。」
【既往歴】肩関節周囲炎
【現病歴】約5年前に誘因なく発症した。
続きを読む【現症】立位から蹲踞姿勢まで膝関節を屈曲させた後、起立する際に、腕による補助がなければ膝関節の痛みにより起立姿勢への移行が困難であった。
【施術と結果】本症例は、同時に別の症状も訴えていたことから、腰部側面から上前腸骨棘周辺の筋緊張が本症状および別の症状の要因であると考え、施術開始箇所とした。なお、反体側にも別症状があるため、患側、健側の比較は出来なかった。
施術開始から約3分で筋緊張の弛緩が触知され、痛みは10から6(NRS改変)に軽減したとの報告を受け、腕による補助なく起立動作が可能となった。
合計約25分の施術で、起立動作時に生じる痛みは10から2(NRS改変)に軽減し、日常生活では差し支えない程度になったと報告を受けた。
【考察】本症例は、一見局所的な症状である膝関節痛が、遠隔部位である腰部の筋緊張によって引き起こされていた可能性を示唆するものである。特に、動作時の痛みに起因する機能障害(起立困難)が、短時間の施術で即座に改善したことから、腰部の筋緊張が症状の主要な要因であったと考えられる。この結果は、腰部の筋弛緩が、膝関節の機能改善に大きく貢献することを示している。