【患者】30代前半 女性
【主訴】「ドライヤーをするとか、腕を上げているときに5秒ほどで痺れて徐々に強くなってくるので、片手で作業を済ませられないなど、家事に困っている。」
【既往歴】下肢リンパ浮腫(リンパ節切除術歴あり)
【現病歴】約5年前から誘因なく発症した。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】30代前半 女性
【主訴】「ドライヤーをするとか、腕を上げているときに5秒ほどで痺れて徐々に強くなってくるので、片手で作業を済ませられないなど、家事に困っている。」
【既往歴】下肢リンパ浮腫(リンパ節切除術歴あり)
【現病歴】約5年前から誘因なく発症した。
続きを読む【現症】右肩関節屈曲約90°の保持で約5秒後に痺れが発生した。
【施術と結果】本症例は、特に誘因なく発症していることから、鎖骨下動脈周辺の筋緊張が原因で発症しているものと推察された。左側にも同様の症状があるとのことであったため、健側との筋緊張の明確な差は確認できなかったが、触察にて筋緊張状態があるものと考えた。
まずは、鎖骨下動脈周辺部の筋緊張の要因と考えられる腰部側面、肋骨下部周辺を施術開始部位とした。施術開始から約30秒で筋緊張の弛緩が触知され、痺れ発生までの時間は主観で約5秒から約10秒に遅くなったとの報告を受けた。また、痺れの強さも主観で10から9に軽減したとの報告を受けた。
その後、ご自身で約30分間の施術を行った。次に筆者が交替して約1分間の施術を行った後、痺れ発生までの時間は約20秒に延長し、発生する痺れの強さは主観で10から3程度に軽減したとの報告を受けた。「期待していたとはいえ、腰の筋肉を軟らかくすることで、腕の痺れが軽くなったことには驚いた。がんばって治していきたい」と喜びの報告を受けた。
【考察】本症例は、腕の痺れという局所的な症状であっても、その要因が遠隔部位(この症例では腰部)の筋緊張にある可能性を示唆するものであった。筋緊張を適切に弛緩させることで、症状の即時的な改善と、その後の継続的なセルフケアへの意欲向上に繋がることが考えられる。