【患者】30代後半 男性
【主訴】「右膝の腫瘍をとってもらったあとも、膨らんだ状態は治らず、右膝で体重を支えようと思うと、途中で力が抜けて崩れ落ちそうになって怖い。」
【現病歴】約4ヶ月前から右膝関節ガングリオン除去術痕を起点とした脱力感を発症した。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】30代後半 男性
【主訴】「右膝の腫瘍をとってもらったあとも、膨らんだ状態は治らず、右膝で体重を支えようと思うと、途中で力が抜けて崩れ落ちそうになって怖い。」
【現病歴】約4ヶ月前から右膝関節ガングリオン除去術痕を起点とした脱力感を発症した。
続きを読む【現症】右膝関節ガングリオン除去術痕を起点とし、右下腿部に力が入りにくい状態であった。特に、膝関節屈曲約10度付近から力が抜け、荷重に耐えられずに崩れそうになることが報告された。
【施術と結果】本症例は、術後数年が経過していることから、手術そのものの後遺症ではない可能性が推察された。しかしながら、現状では熱感・発赤は認められないものの膨隆があることから、神経、もしくは神経への血流が阻害されている可能性が考えられたため、膨隆部への施術を開始部位とした。
押圧による痛みはなく、通常の施術を行うことが可能であった。膨隆部上端から施術を開始し、約15分で上端から約2mmの弛緩が触知された。患者からは「軟らかくなっている。力が入るようになった。」との発言があり、主観で約2割増しで力が入るようになったとの報告を受けた。変化が確認されたことから、同部位への施術を継続することとした。
続けて約30分の施術で、膨隆は上部の約半分が弛緩し、力は主観で5割増しになったとの報告を受けた。この時点で、患者より他症状の相談があったため、膨隆部への施術は終了となったが、別の症状に対する第4腰椎高位の起立筋群への施術中に、繊維状に確認できた緊張の弛緩が触知された際、右下腿部の脱力が主観で10から0、すなわち消失したとの報告を受けた。
【考察】日常的に腰部の筋緊張が全身の多くの症状に大きく影響を与える要因となっていると捉え、施術を行う症例は少なくないが、本症例もその一つであったと考えられる。