【患者】20代前半 女性
【主訴】「全身性エリテマトーデス(以下 SLE)と診断されてから、感じる倦怠感と強張りで日常生活に困っている。」
【現病歴】約1年2ヶ月前より全身の倦怠感、こわばり感、および顔面への発疹が出現し、近医にてSLEと診断された。ステロイドと免疫抑制剤による投薬治療を継続している(ステロイドは患者本人の希望により約半年で投薬中止)。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】20代前半 女性
【主訴】「全身性エリテマトーデス(以下 SLE)と診断されてから、感じる倦怠感と強張りで日常生活に困っている。」
【現病歴】約1年2ヶ月前より全身の倦怠感、こわばり感、および顔面への発疹が出現し、近医にてSLEと診断された。ステロイドと免疫抑制剤による投薬治療を継続している(ステロイドは患者本人の希望により約半年で投薬中止)。
続きを読む【現症】診断前後の頃と比較すると、現在の症状は軽快しているものの、全身の倦怠感とこわばりは、特に両手先および両大腿部内側に強く感じているとのことであった。
【施術と結果】本症例は、SLEと診断されてから約1年以上が経過していた。投薬治療を継続しており、初期の頃よりは症状は落ち着いているが、腎臓の数値などが高値を示すため投薬は続いていた。全身の倦怠感とこわばり感も軽減したとは言え、動ける際には家事を行う程度の状態であるとのことであった。こわばりを伴う倦怠感という症状については、筋緊張が要因であると推察された。全身の筋緊張の大きな要因として腰部の筋緊張が考えられたが、患者の診断前の生活環境を考慮すると、頚部の筋緊張を弛緩することで早期の変化が期待できると判断した。触察にて、左右頚部の胸鎖乳突筋付近に筋緊張を確認し、施術開始箇所とした。
施術開始から約10分で筋緊張の弛緩が触知され、歩行時の倦怠感が主観で10から8への軽減が報告された。変化が認められたことから、同部位への施術継続を決定した。
続けて約10分間の施術で、倦怠感は10から5へと半減した。その後、約5分間の弛緩では変化が認められなかったため、次に腰部へと施術部位を変更することにした。
腰部の施術中に、過去の虫垂炎の術後部位が時に押圧で痛むことがあるとの訴えがあったことから、腰部側面への施術と並行して、術後部位への施術も行った。約20分間の施術で、倦怠感は10から3へ、また腰背部と大腿部内側に感じるこわばりが主観で10から3へと軽減したとの報告を受けた。
【考察】本症例は、指定難病であっても、筋緊張に起因する症状であれば、その場での改善が確認できる可能性を示唆するものであった。なお、翌日には「ここ1年ほどなかったくらいに身体が楽だった」との報告を受けた。