【患者】20代前半 男性
【主訴】「首相撲をメインに練習したら、左肩甲骨の内側あたりが痛くて左でジャブが打てなくなった。練習が出来なくなって困っている。」
【現病歴】2日前の練習中に痛みが発現し、練習が困難となった。翌日も痛みが継続しており、症状に変化は認められなかった。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】20代前半 男性
【主訴】「首相撲をメインに練習したら、左肩甲骨の内側あたりが痛くて左でジャブが打てなくなった。練習が出来なくなって困っている。」
【現病歴】2日前の練習中に痛みが発現し、練習が困難となった。翌日も痛みが継続しており、症状に変化は認められなかった。
続きを読む【現症】左肩甲骨内側、第4、第5、第6胸椎高位に痛みが認められるとの訴えがあった。頚部左右回旋および左右屈曲時にも痛みが発すると報告されたが、可動域制限は認められなかった。左ジャブは、構える動作のみで痛みを生じる状態であった。
【施術と結果】本症例は、格闘技の首相撲練習中に発症したものであり、近隣の接骨院にて筋断裂の可能性が示唆されたとのことである。来院時に目視による発熱、発赤、腫脹は確認されなかったが、痛みを訴える部位の周辺から施術を開始することとした。触察では健側と比較して明確な筋緊張差は確認できなかったが、まずは、左肩甲骨内側上端付近を施術開始箇所とした。施術開始から約1分で筋緊張の弛緩が触知され、痛みは10から8(NRS改変)への軽減が報告され、軽くジャブを打つことが可能になった。変化が確認されたことから、同部位への施術継続を決定した。
続けて、肩甲骨内側上端から第6胸椎周辺まで筋緊張を弛緩させ、合計約40分の施術を行った結果、痛みは10から2(NRS改変)への軽減が報告され、主観で80%程度のジャブが打てるようになったとの報告を受けた。また頚部の回旋、屈曲については、違和感なく動かせるようになったと報告を受けた。
【考察】本症例は、スポーツや格闘技の場面において、明確な器質的損傷がなく、むしろ怪我を誘発し得る筋緊張の状態であった場合、緩消法による筋弛緩が有用である可能性を示唆する結果であると考えられた。