【患者】90代男性
【主訴】「左膝が痛くて歩けない。」
【現病歴】左膝関節の痛みは、約15年前から認められていた。約3ヶ月前から痛みが急激に増悪し、移動に車椅子の使用が必須となった。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】90代男性
【主訴】「左膝が痛くて歩けない。」
【現病歴】左膝関節の痛みは、約15年前から認められていた。約3ヶ月前から痛みが急激に増悪し、移動に車椅子の使用が必須となった。
続きを読む【現症】車椅子から椅子への移乗は自力で可能であったが、歩行は困難な状態であった。起立動作時にも痛みが認められたが、杖や机、手すりなどの支持があれば起立動作は可能であった。
【施術と結果】本症例は、特段の誘因なく膝関節痛が増悪していることから、膝関節周辺の筋腱群緊張亢進とその要因となり得る腰部周辺の筋緊張の亢進も、その痛みの要因となっている可能性が推察された。左上前腸骨棘周辺の筋緊張を触察にて確認したところ、右側にも痛みが認められたものの、左右差が顕著であったため、左側を施術開始箇所とした。
施術開始から約1分で筋緊張の弛緩が触知され、起立動作時の痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった報告を受けた。この変化を受けて、同箇所への施術継続を決定し、さらに約1分の施術を行った結果、起立動作時の痛みは10から2(NRS改変)と小さくなった報告を受けた。この時点で、患者より「歩けそうだ」との発言があった。その後、杖を使用して「3ヶ月ぶりに歩けた」との喜びの報告を受けた。
本施術は、患者の希望により短時間での対応となったが、同席していたご家族からは「これからの希望が持てた」との言葉があった。
【考察】本症例は、緩消法が年齢に関わらず適用可能であること、また症状の程度が必ずしも年齢に相関しない可能性を示唆する結果であると考えられた。