【患者】40代後半、男性
【主訴】右肩甲骨周辺が痛い。右肩から肘までがピリピリ痺れる。
【現病歴】約2ヶ月前から、特に誘因なく上記主訴が出現。近医整形外科を受診し、レントゲンとMRI検査にて頚椎椎間板ヘルニアと診断された。通院リハビリで頚椎牽引と徒手療法を受けているが、症状は変わらず継続している。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】40代後半、男性
【主訴】右肩甲骨周辺が痛い。右肩から肘までがピリピリ痺れる。
【現病歴】約2ヶ月前から、特に誘因なく上記主訴が出現。近医整形外科を受診し、レントゲンとMRI検査にて頚椎椎間板ヘルニアと診断された。通院リハビリで頚椎牽引と徒手療法を受けているが、症状は変わらず継続している。
続きを読む【現症】椅座位での安静時にも上記主訴を感じる。肩・肘・手関節・手指の可動域制限は認めない。
【検査所見】神経学的検査では、Jacksonテスト陽性、Spurlingテスト陽性、Hoffmann反射陰性。
【施術と結果】まずは、一番痛みが気になる右肩甲骨近位部分から施術開始。僧帽筋や肩甲挙筋等が存在すると思われる部分に実施。約3分後、筋弛緩を確認。痛みは10から8(NRS改変)と小さくなった。
効果があったため、同部に継続実施。約5分後、更なる筋弛緩を確認。痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった。しかし、肩から肘への痺れ感は変化なし。
次に、頚部から続く神経が走行していると思われる腋窩付近と肘周囲の痺れを感じる部分に実施。共に約5分ずつ実施し、筋弛緩を確認。肩から肘への痺れ感は主観で
2割減となった。
効果があったため、同部に継続実施。約10分後、痺れ感は主観で7割減となった。JacksonテストとSpurlingテストは共に陽性残存するも、テスト時の痛みは10から6(NRS改変)と減少していた。
【考察】MRIにより頚椎椎間板ヘルニアと診断名が付き、既存の保存治療で効果が無い場合でも、緩消法による初回施術で頚部・腋窩・肘周囲の筋弛緩を得ることで、症状を減らすことができた。この現象は、痛み等により筋拘縮が発生していたものと推察できる。従って、既存の治療が無効な場合でも、鎮痛剤を安易に増量したり手術に移行したりせず、まずは本施術法を試行してみる価値があると考えられる。