2か月前に発症した右母指運動痛の改善例

【現症】右母指屈曲位での手関節尺屈により運動痛を発症する。

【施術と結果】本症例は、2か月ほど前から右母指の運動痛を訴えており、患部周辺に腫脹や内出血は確認できなかったが軽度の熱感が確認できたため直接患部には触れずに、右前腕の筋緊張部位に施術を行った。

　はじめに、右前腕橈背側1/2の筋緊張部位に約1分施術し、筋弛緩を確認した。その結果、右母指屈曲位で手関節尺屈の運動痛は、10から8（NRS改変）となった。引き続き、同部位周辺に約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果、右母指屈曲位で手関節尺屈の運動痛は、10から7（NRS改変）となった。症状の変化が乏しかったため、施術部位を右肘関節外側の筋緊張部位とし、約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果、右母指屈曲位で手関節尺屈の運動痛は、10から3（NRS改変）となった。十分な筋弛緩を確認したが症状が残存しているため、右前腕部の筋緊張の要因は腰部の筋緊張と考えて腰部を触察したところ、腰部右側面の第10肋骨直下に筋緊張が確認されたので、同部位周辺に約5分施術し筋弛緩を確認した。その結果、右母指屈曲位で手関節尺屈の運動痛は、10から1（NRS改変）となった。

　ここで別部位の施術を希望されたので当施術を中断したが、腰も関係あるとは思わなかったと驚かれていた。