【患者】50代 男性
【主訴】10キロ程度のものを仕事で持ち上げるのだけど、痛みで出来なくて困る。(半年間の就労困難を伴う)
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約6ヶ月前に右肩部痛が発症。近医整形外科を受診し治療を受けていたが、症状の改善は認められていないとの訴え。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】50代 男性
【主訴】10キロ程度のものを仕事で持ち上げるのだけど、痛みで出来なくて困る。(半年間の就労困難を伴う)
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約6ヶ月前に右肩部痛が発症。近医整形外科を受診し治療を受けていたが、症状の改善は認められていないとの訴え。
続きを読む【現症】腰高の位置にある約10kgの物品の挙上が困難な状態。右肩関節の自動運動による屈曲は60°程度で疼痛が出現する。肩関節外転の可動域制限は認められない。肩関節周囲炎の可能性が示唆される。
【施術と結果】本症例は、業務上の重量物挙上による過負荷が原因と考えられる右肩関節周囲炎様の症状を呈していたが、外傷の既往は確認されなかった。肩関節の症状に対し、体幹部の影響を考慮し、触察の結果、腰部右側側面の肋骨下縁下部に、健側と比較して顕著な筋緊張が認められたため、施術部位とした。
当該部位に対し、緩消法を開始したところ、約1分で筋緊張の軽減が触察され、右肩関節の自動屈曲可動域は90°まで改善した。症状の改善が認められたため、同部位への施術を継続した。
さらに約1分間の施術により、右肩関節の自動屈曲可動域は約100°まで拡大した。
体験会中であったため施術は終了となったが、「長く煩っていたが、緩消法で治りそうだ」と喜びの報告を受けた。
【考察】本症例は、業務による右肩関節への過負荷が誘因となったと考えられる肩関節周囲炎様の症状に対し、肩関節とは離れた腰部の筋緊張に着目し、緩消法を行った結果、短時間で肩関節の可動域改善と疼痛軽減が認められた。
この結果は、肩関節の症状が、局所的な問題だけでなく、体幹部の筋緊張や姿勢の影響を受けている可能性を示唆している。腰部の筋緊張緩和が、肩関節周囲の組織や神経系の機能改善に寄与したと考えられる。
今回実施された緩消法は、非侵襲的な徒手療法であり、本症例の結果は、業務に関連する筋骨格系の疼痛においても、全身的な視点からのアプローチが有効である可能性を示唆している。