【患者】60代前半 男性
【主訴】左足底筋と腓腹筋・左肩から腕の痛み
【現病歴】2020年に視床出血を発症し、左上下肢麻痺で痙縮があり年2回ボトックス注射リハビリをしている。
日常生活に特段の支障はないが、歩行と左指が多少不自由。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】60代前半 男性
【主訴】左足底筋と腓腹筋・左肩から腕の痛み
【現病歴】2020年に視床出血を発症し、左上下肢麻痺で痙縮があり年2回ボトックス注射リハビリをしている。
日常生活に特段の支障はないが、歩行と左指が多少不自由。
続きを読む【現症】左足底筋と腓腹筋・左肩から腕の痛み、左足底筋から足趾にかけての痺れが酷い。
【施術と結果】本症例は、視床出血の後遺症で左上下肢麻痺で痙縮による痛みを訴えているが、患者本人の意向で下肢の左足底筋と腓腹筋の症状の改善に取り組むこととし、目視・触察にて熱感や腫脹は確認できなかったことから、筋弛緩によって症状の変化を確認しながら施術を行っていこうと考えた。
先ず、起因が視床出血後に発症しており、左半身に発現しているため、頸部右側の筋緊張部位に約2分緩消法を施し、筋弛緩を確認。痛み、痺れの変化は無かったが、左下肢が動かしやすくなったとご本人から報告を受けた。更に約5分施術し筋弛緩を確認したが、状態にそれ以上の変化はなかった。
次に、左足底の痛みの要因は腰部左側の腸骨稜周辺の筋緊張が要因ではないかと推測し、触察にて腰部側面の体表より押圧深約2cmの筋と腸骨稜上縁の筋に筋緊張を確認した。腰部側面の筋緊張は腸骨稜上縁の筋緊張にも関連があると考え、先に腰部側面から緩消法を施術を約8分行い、押圧深約5cmまで筋弛緩を行った結果、腓腹筋の痛みが10から5(NRS改変)となった。続いて腸骨稜上縁の筋緊張部位に約10分緩消法を施した結果、左足底の痛みは10から3(NRS改変)となった。
次に、左下肢全体の血行を促進して変化があるかを確認するために上前腸骨棘下縁から鼠経靭帯までの筋を触察し、筋緊張を確認。緩消法を約2分施し筋弛緩を確認した結果、足底筋の痛みは10から0(NRS改変)となり、腓腹筋の痛みも10から3(NRS改変)となった。触察の際に腓腹筋と膝窩に強張りと筋緊張が確認できたため、左膝窩に約1分緩消法を施し、筋弛緩を確認した結果、腓腹筋の痛みは10から1(NRS改変)となり、痺れ感も約8割軽減したと報告を受けた。