【患者】50代後半、女性
【主訴】右の股関節が固まってしまって痛い。歩くことは出来ているが、仕事中にも人に気を遣わせてしまい申し訳ない。
【現病歴】約3年前、特に誘因なく右股関節に痛みが出現。自然経過をみていたが、約半年前から痛みが増加。知人からストレッチで痛みが改善したという話を聞き、月2回ほどストレッチ教室に通っている。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】50代後半、女性
【主訴】右の股関節が固まってしまって痛い。歩くことは出来ているが、仕事中にも人に気を遣わせてしまい申し訳ない。
【現病歴】約3年前、特に誘因なく右股関節に痛みが出現。自然経過をみていたが、約半年前から痛みが増加。知人からストレッチで痛みが改善したという話を聞き、月2回ほどストレッチ教室に通っている。
続きを読む【現症】触察にて、右上前腸骨棘周辺から下前腸骨棘周辺にかけての筋緊張が強い。立位歩行時の荷重時(特に初期接地から立脚中期。以下、同動作時)に痛みを感じる。仰臥位での右股関節他動屈曲可動域(以下、ROM)は約30°だった。
【検査結果】股関節MRIにて骨頭壊死所見なし
【施術と結果】本症例は、右上前腸骨棘周辺から下前腸骨棘周辺の筋緊張亢進が見られる事から、これにより痛みとROM制限があるものと考えた。右腰部側面の筋緊張が要因と考えた為、施術開始箇所は右腰部側面とした。
まずは、施術者①から施術開始。約3分で施術部の筋弛緩を確認。同動作時の痛みは10から7(NRS改変)と小さくなった。施術効果は見られたが、痛みの変化の少なさと、残存している上・下前腸骨棘周辺の筋緊張の状態から、腸骨棘周辺の施術を追加で行う事とした。
次に施術者②に交代。約5分の施術で施術部の筋弛緩を確認。同動作時の痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった。施術前と比較して「素早く歩けるようになっている」と驚きの報告を受けた。
この後、再び施術者①に交代。右腰部と上・下前腸骨棘周辺の施術を交互に行い、合計約40分の施術終了時には、同動作時の痛みは10から2(NRS改変)と小さくなっていた。また、ROMは約50°に改善していた。こんなに痛みの変化が出るとは思わなかった。自分がやっていた治療内容とは、かなり違った。ちゃんと正しいやり方を覚えて治していきたい。」と今後の希望が見えた報告を受けた。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①渡邉②筆者の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査評価は施術者②が行った。