【患者】80代前半 女性
【主訴】左脚が痛くて歩けない
【既往歴】-
【現病歴】来院前日の午後、灯油のポリタンクを運んだ後から何となく腰部と左脚に違和感を覚えた。湿布を貼り一夜を過ごした。翌朝から痛みで歩行困難になり、杖の補助が必要になった。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】80代前半 女性
【主訴】左脚が痛くて歩けない
【既往歴】-
【現病歴】来院前日の午後、灯油のポリタンクを運んだ後から何となく腰部と左脚に違和感を覚えた。湿布を貼り一夜を過ごした。翌朝から痛みで歩行困難になり、杖の補助が必要になった。
続きを読む【現症】動作時に腰部左側と左大腿前面にビリビリと感じる痛みが発生する。安静時痛は無いが、仰臥位での左膝関節可動域(以下、ROM)伸展、自動、約-45。立位時では左膝関節ROM、伸展、0°左単下肢荷重時に大腿前面に痛みが発生する。
【施術と結果】本症例は、前日に発症した左下肢荷重時の痛みを訴えており、目視・触察にて熱感や腫脹は確認できなかったこと、打撲などの要因がなかったことから、痛みの要因は筋緊張による血行不良と推測した。
先ず、腰部の筋緊張が起因していると考え、椅坐位で胸腰部の左右側屈時の痛みが激しいことから、鼠経靭帯周辺の筋弛緩で変化が出るのではないかと推測し仰臥位にて行うこととした。左上前腸骨棘より正中方向に2横指の部位から鼠経靭帯にかけて筋緊張を確認。緩消法を約2分施し、筋弛緩を確認した結果、左膝関節ROM、伸展、自動、約-30°となった。患者さんご本人も変化を感じる程であったため、更に施術を行ったが、左膝関節ROM、伸展、自動、約-10°以上にはならなかった。
胸腰部の側屈動作を仰臥位で自動にて行っていただくと腰部の痛みが10から5(NRS改変)となっていたため次に、椅坐位にて胸腰部の筋弛緩を行った。触察にて腰部側面の体表より約2cmの筋と第2腰椎高位(以下、L2)周辺の筋に筋緊張を確認。腰部側面に緩消法を約5分施し、押圧深約5cmとなった結果、腰部左側の痛みは10から3(NRS改変)となったが左下肢の痛みは10から5(NRS改変)でこれ以上変化が確認できなかった。
次に、L2周辺の筋の施術をおこなっていくこととした。緩消法を約5分施し、押圧深約3cmとなった結果、左下肢の痛みが10から0(NRS改変)となり、杖を用いなくとも歩行が可能になった。