【患者】30代前半、男性
【主訴】左の肩甲骨内側が痛くて、力が入れられない。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約1年半前、船上で仕事中、荷物を連結していたロープが跳ねて右半身に直撃して負傷。航海中だったため、すぐに病院に行けずアイシング処置のみ。11日後に本土に戻った時に病院を受診したが、骨折は認めなかった。約1週間後にリハビリ治療のため、当院初診。以後リハビリを継続し、1年半ほど経つ。ほとんど良くなったが、左肩甲骨内側の痛みだけ残っている。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】30代前半、男性
【主訴】左の肩甲骨内側が痛くて、力が入れられない。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約1年半前、船上で仕事中、荷物を連結していたロープが跳ねて右半身に直撃して負傷。航海中だったため、すぐに病院に行けずアイシング処置のみ。11日後に本土に戻った時に病院を受診したが、骨折は認めなかった。約1週間後にリハビリ治療のため、当院初診。以後リハビリを継続し、1年半ほど経つ。ほとんど良くなったが、左肩甲骨内側の痛みだけ残っている。
続きを読む【現症】安静時に、胸椎第6・7番高位、左肩甲骨内側付近に痛みあり。特に左肩関節水平外転約10°で痛みが増す。痛みのため力が入りづらいとの訴えあり。
【検査結果】MRIにて筋断裂・骨挫傷なし。
【施術と結果】本症例は、高速度での太いロープの衝突事故による受傷後、約1年半に渡って痛みが残存し改善が見られない事と、痛みが長期に渡り継続しているが視診や触察にて発赤・腫脹・熱感もないことから、筋腱群の拘縮による緊張亢進が痛みの要因であると考えた。
まずは、痛みを訴えている胸椎6・7番高位、左肩甲骨内側付近に触察にて緊張部位を確認し、施術開始箇所とした。
施術者①の施術開始から、約5分で弛緩を確認。安静時痛は10から9(NRS改変)に、水平外転時痛も10から9(NRS改変)と小さくなった。変化が見られた事から、続けて同部位への施術を継続。しかし、約5分後に弛緩を確認するも痛みの変化は見られなかった。
次に施術者②に交代。変化が見られなかった事から、ロープの衝撃を受けた頚部に緊張があるのではないかと考えた。ロープの直撃を受けたのは、右顎から頚部右側にかけてであると考えられ、急激に収縮されたであろう左後頚部の頚椎第4・5高位、正中より約4横指外側に触察にて緊張を確認。そこを施術箇所とした。
施術開始から、約5分で弛緩を確認。安静時痛は10から7(NRS改変)に、水平外転時痛も10から7(NRS改変)と小さくなった。変化が大きく見られた事から、頚部への施術継続を決定。約10分後、安静時痛は10から4(NRS改変)に、水平外転時痛は10から5(NRS改変)と小さくなった。
また、水平外転時に施術開始前よりも主観で6割増しの力が入れられるようになった、と報告を受けた。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①渡邉②筆者の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者②が行った。