3週間前に発生した可動域制限を伴う背部痛の改善例

【現症】自動運動、立位にて胸腰部伸展関節可動域（以下、ROM）は約5°で、第8胸椎（以下、T8）棘突起より左右外方2横指の範囲に痛みが発生する。

【施術と結果】本症例は、T8棘突起より左右外方へ2横指周辺に痛みが発生していることと、触察により熱感や腫脹が確認できないことから、一つの要因として、背部の筋緊張による血行不良であろうと考えた。

　はじめに、痛みを訴える筋緊張部位に緩消法を約1分行い、筋弛緩を確認した。その結果、胸腰部伸展動作時の痛みは10から6（NRS改変）と小さくなり、立位による胸腰部伸展ROMは、約10°と大きくなった。変化が確認できたため、さらに同部位の筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、胸腰部伸展動作時の痛みは10から3（NRS改変）と小さくなり、立位による胸腰部伸展ROMは約20°と大きくなった。次に、左上前腸骨棘周辺に違和感を訴えたため、触察により筋緊張を確認し、同部位周辺に緩消法を約1分行い、筋弛緩を確認した。その結果、痛みは10から0（NRS改変）と消失し、立位による胸腰部伸展ROM制限は確認できなくなった。

　再発予防のため、腰部の筋緊張が要因で背部が引っ張られ痛みが生じていることを伝え、腰部側面の筋緊張に緩消法を約25分行い、筋弛緩を確認し、施術を終了した。

　上体をその場で反らし「後ろに倒せるようになったし、動かしても痛くない。腰がスカッと軽くなった。」と驚いた様子で笑顔で帰路につかれた。