【患者】50代後半 男性
【主訴】2日前の朝起きた時からお尻と足が痺れて辛い。
【既往歴】ー
【現病歴】過去に何度かぎっくり腰の経験はあるが、ここ数年痛みや痺れはなかった。週2回くらいのペースで仕事終わりにストレッチをやって帰宅している。来院した3日前の仕事終わりにいつもの様にストレッチをやって帰宅したが、ご本人曰く、かなり強めのストレッチをやったらしい。当日は何も問題なかったが翌朝、起床時に左右殿部から左右大腿部後面にかけて強い痛みと痺れが発現して日常動作に支障をきたす様な状況になり、紹介で来院された。
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【現症】歩行は胸腰部伸展ができない為、約20°前傾にてゆっくりなら可能であるが、安静時痛があり着座時痛及び椅座位からの起立動作時痛が顕著である。また、仰臥位は勿論、横臥位も痛みの為出来ない。
【施術と結果】本症例は3日前に行った強めの腰部のストレッチが要因であろう左右殿部及び大腿部後面にかけての痛み、痺れを訴えているが、ストレッチ直後に発症してなく、触察により熱感も確認できなかった事から腰部の筋緊張による下肢への血行不良が要因であろうと考察した。
先ず、腰部を触察すると真横から前方に約4cmの箇所の筋緊張が著明であった為、同箇所に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、椅座位からの起立動作時痛が10から7(NRS改変)となった効果が確認できた為、更に同箇所に約10分行い筋弛緩を確認した。その結果、椅座位からの起立動作痛が10から5(NRS改変)となり、立位で胸腰部伸展が可能になった。
次に左右殿部及び大腿部後面の痛み、痺れの更なる改善を目的に施術箇所を症状を訴える大腿部後面の真上に当たる腸骨稜上縁周辺に移行した。触察により筋緊張を確認し同箇所に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、椅座位時の左右殿部及び大腿部後面の安静時痛が10から0(NRS改変)となり痺れも椅座位時では主観で消失したとの報告を受けた。
ただし、起立時の症状は残存した為、残り時間は腰部側面の筋弛緩を15分行い当日の施術を終了した。
症状は残存したが、椅座位からの起立動作や歩行が楽になり大変感謝されました。