【現症】右手関節背屈不能、手指背屈不能。手指手関節を背屈しようとすると、手関節屈曲する。又、右母指のしびれがあるが感覚麻痺はなし。その他、四指の痺れはなく感覚異常はなし。
【施術と結果】本症例は外傷でなく橈骨神経運動麻痺が発生している。一夜にして症状が発生している事と、手指の感覚神経は正常である為、右前腕や上腕の筋群の緊張による、手指と手関節背屈筋への血行不良が原因であると考えた。患者さんには症状の改善が1週間から長くて3ヶ月と告げ、出来れば1週から1ヶ月の期間を要することをお伝えした。
先ず、右前腕の緊張部位に対し緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。次に、上腕遠位前面の筋緊張に対し、緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。主観で手関節が軽くなったとご報告いただく。目視にて手指背屈が少し可能となった様に感じたが、手関節に変化がなかった。その後10分の施術を約1週間行い手指の背屈可動域が大きくなったことが目視で確認出来た。手関節に関して、当初背屈しようとすると屈曲運動となっていたが、軽度の背屈が可能となった。
約2週間後ペンにて書字動作と箸動作が可能となる。結果、約3週で生活上ほぼ問題なく手指と手関節を使用できる様になった。
当初患者さんは、絶望していたが大変喜ばれた。