【患者】50代前半 男性
【主訴】左脚の痺れと麻痺
【既往歴】-
【現病歴】5年前に腰痛を発症し、左臀部から大腿側面、脛に痺れが出るようになった。その後、左脚単下肢立脚が困難になり、跛行が発生。今日まで様々な事を試みたが著しい変化は見られなかった。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】50代前半 男性
【主訴】左脚の痺れと麻痺
【既往歴】-
【現病歴】5年前に腰痛を発症し、左臀部から大腿側面、脛に痺れが出るようになった。その後、左脚単下肢立脚が困難になり、跛行が発生。今日まで様々な事を試みたが著しい変化は見られなかった。
続きを読む【現症】痛みは腰部左側、左大腿側面。痺れは左脛に触れると感じる。左足関節可動域(以下、ROM)底屈、自動約20°背屈、自動約10°
【施術と結果】本症例は、5年前の腰痛後から増悪傾向にある左下肢の痺れと麻痺を訴えており、目視・触察にて熱感や腫脹は確認できなかったことから、筋緊張による血行不良と廃用性による運動障害が要因と推測した。麻痺に関しては早期に医療機関での検査もお伝えしたうえで施術を行った。
先ず、麻痺が確認できたことから、脳への血行促進で変化がみられるのではないかと推測し、頸部左右の胸鎖乳突筋を触察すると左胸鎖乳突筋に筋緊張を確認した。施術を行う前に椅坐位にて足踏みを行い、左右差を確認すると左脚が挙上困難であるとの訴えがあった。頸部左側の胸鎖乳突筋に約1分緩消法を施し、筋弛緩を確認した結果、左脚の挙上に目視でも分かる変化がみられ、患者ご本人の主観でも楽に脚が上がると報告を受けた。
次に、頸部右側の胸鎖乳突筋に約1分緩消法を施し、筋弛緩を確認した結果、左脚の挙上が更に楽に上がると報告を受けた。再び頸部左側の筋弛緩を試みたが、それ以上の変化が確認出来なかった。この時点で、脚の挙上に注目してしまい、足関節の底背屈は確認をしなかった。
次に、腰部側面を触察し、体表より押圧深約1cmに筋緊張を確認して、緩消法を約5分施し、押圧深約4cmとなった結果、大腿骨側面の痛みは10から2(NRS改変)となったが、痺れは変化を確認できなかった。そのまま押圧深約5cmになるまで約10分緩消法を施した結果、大腿骨側面の痛みは10から0(NRS改変)となった。
次に、左脛の痺れに対応する施術を腰部から下方に向かって確認しながら段階的に行っていこうと考え、左上前腸骨棘内側を触察し、筋緊張を確認した。緩消法を約2分施し、筋弛緩を確認した結果、左脛の痺れは、ご本人主観で10から2となり、左足関節の底背屈も可動域が増したと報告をうけた。