【患者】40代前半 男性
【主訴】左の顎のあたりから首・肩にかけて痛い。薬を飲まないと痛くてつらくなり、固まってしまう感じがある。薬を飲んでいても5分くらいパソコン作業をしていると痛くなってくる。
【既往歴】左肩関節周囲炎(約3年前)、顎関節症(約2年前)、変形性頚椎症(約1年前)。
【現病歴】約3年前転倒して左肩を打ち、左肩の痛みは緩解したが頚部に痛みを発症した。その後、マッサージ・整形外科に通院し、顎の違和感も発症したため口腔外科にも通院した。1年前に整形外科でMRIなどの検査をし、現在も服薬している。
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【現症】頚部左側屈しながら伸展すると左肩甲骨上部から上腕にかけて痛みあり。側頭部左側から左肩にかけて常に違和感あり。
【施術と結果】本症例は約3年前から頭部左側面から左肩に痛みを訴えており、その要因は患部周辺の筋緊張と考えて触察したところ、左顎関節周辺から左肩甲骨上角周辺および左肩甲骨内側縁周辺に筋緊張が確認された。
はじめに最も強い運動痛を訴える第6頚椎(以下、C6)棘突起から約4cm左の筋緊張部位に約2分施術し、筋弛緩を確認した。その結果、頚部左側屈しながら伸展したときの痛みは10から8(NRS改変)となった。引き続き、同部位周辺に約5分施術し筋弛緩を確認した。その結果、頚部左側屈しながら伸展したときの痛みは10から6(NRS改変)となった。十分な筋弛緩を確認したが症状の変化が乏しかったため、左顎関節周辺および左肩甲骨内側縁周辺に施術し筋弛緩を確認したが、依然として症状の変化は見られなかった。ここで、頚部左側屈しながら伸展したときの痛みの要因は腰部の筋緊張と考えて腰部を触察したところ、第2腰椎棘突起から約12cm左に筋緊張を確認したため、同部位周辺に約5分施術し筋弛緩を確認した。その結果、頚部左側屈しながら伸展したときの痛みは10から0(NRS改変)と消失した。
何をしても変化がなかったのに今は痛くない、と喜ばれていた。