【患者】50代後半、女性
【主訴】左膝の皿の下側が痛い。何かが挟まったような違和感もある。
【既往歴】約5年前、左外傷性膝蓋骨外側脱臼(内側膝蓋大腿靭帯再建術後)
【現病歴】約11年前、自宅内で子供が左膝に飛び乗ってきた時に受傷。膝蓋骨が外れた感じあったが、自己整復できた。その後、近医救急病院整形外科を受診。精査の結果「膝蓋骨外側脱臼」の診断。以降、膝サポーターを適宜使用していたが、反復性の症状になったため、近医総合病院整形外科にて、約5年前に前述既往歴記載の手術を行った。術後は概ね調子は良くなったが、左下肢荷重時の膝前方痛が残存している状態。同院整形外科では、膝蓋骨下部に脂肪体が挟まって痛みが出ていると伝えられたとの事。
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【現症】歩行時の左下肢荷重時に左膝蓋骨下極付近に痛みが出現する。膝蓋跳動なし。膝関節可動域には明らかな制限は認めなかった。
【検査結果】徒手検査にて膝関節(大腿脛骨および膝蓋大腿関節)に動揺性は認められなかった。
【施術と結果】本症例は、左膝蓋骨周辺の筋緊張の亢進状態(術後の癒着を含む)が要因ではないかと考えた。触察にて左膝蓋骨下極周囲に筋腱の緊張亢進を確認したため、そこを施術開始箇所とした。
施術者①の施術開始から約1分で同部の弛緩を確認。痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった。変化がみられた事から、同部位への施術継続を決定した。
次に施術者②へ交代し、同部位への施術を継続。約2分で弛緩を確認。痛みは10から2(NRS改変)と小さくなった。この時点で別部位への施術を希望された為、本症例への施術は終了となった。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①渡邉②秦の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者②が行った。