【患者】80代前半、女性
【主訴】歩く時に右の股関節が痛い
【既往歴】胆嚢摘出手術(約10年前)
【現病歴】約6年前から特に誘因なく右股関節痛が出現。当初は痛みは軽く自然経過をみていたが、約2年前から痛みが増加してきた。以後、近医整形外科で通院リハビリを行っている。
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【現症】普段出現する歩行時の右股関節痛は、施術当日には確認出来ず。股関節の動画確認を行った結果、仰臥位での右股関節屈曲約80°・膝関節屈曲約95°・股関節外転約30°(以下、同肢位)で、右殿部外側の右腸骨稜より約10センチ遠位に痛みが確認出来た。
【検査結果】レントゲン写真にて明らかな股関節の変形なし。
【施術と結果】本症例は、痛みを訴える箇所の直上の右腸骨稜付近の筋群(以下、同部)の筋緊張が要因と考えた。触察にて同部の筋緊張が確認できたため施術開始箇所とした。
まず施術者①から施術開始。開始約5分で同部の筋弛緩を確認。同肢位での痛みは10から7(NRS改変)と小さくなった。変化が見られた事から、同部への施術を継続する事とした。
施術者②に交代し施術を継続。約5分後、同肢位での痛みは10から0(NRS改変)と消失した。
しかし、同肢位において股関節外転約30°以上にすると痛みが出現し気になるとのことで、同部への施術を継続。約5分後に同部の筋弛緩を確認。外転角は約30°から約45°に変化し、その角度内での痛みは出現しなかった。この時点で別部位の症状を訴えられたので、本症状への施術は終了となった。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①筆者②渡邉の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者①が行った。