【患者】70代後半、女性
【主訴】右手の薬指と小指が動かしにくい
【既往歴】脳内出血(約15年前)
【現病歴】上記既往歴以降、右半身に不全麻痺が残存している。現在は特に、右環指・小指が震えて動かしにくく、書字が困難な事が気になっている。
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【現症】右薬指・小指の運動障害(企図振戦と制御困難)により解読不能な筆記しか出来ない。
【検査結果】上肢腱反射異常なし
【施術と結果】本症例は、指折り数え試験時に薬指・小指に思うように力が入らず、また、振戦が出現し、思ったように動かないという訴えだった。まず、握手により握力を確認したが、著明な左右差は感じられなかった。よって、握力は十分にあると考えられた事から、手指屈筋群・伸筋群の異常筋緊張から、書字動作が制御困難な状態と考えた。 触察により、屈筋群・伸筋群共に前腕近位部(以下、同部)に特に強い筋緊張を確認したため、施術開始箇所とした。
まず、施術者①から施術開始。約1分で同部の筋弛緩を確認。指折り数え試験時の薬指・小指の動きは主観で3割改善との報告を受けた。変化がみられた事から、同部への施術継続を決定した。
次に施術者②が施術実施。約2分で同部の筋弛緩を確認。薬指・小指の動きは5割以上改善との報告を受けた。
この時点で、ご本人の氏名筆記を実施。振戦は主観で6割減少したとのこと。日常では読解不能な筆記しか出来ないとの事だったが、客観的にも読解可能な状態になった。「こんな改善は初めて。もっと良くなってくれたら嬉しい。」と喜びの報告を受けた。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①渡邉②秦の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者②が行った。