【患者】70代後半、男性
【主訴】右足裏の土踏まず辺りが歩くと痛い
【既往歴】大腸癌手術(約3年前)
【現病歴】約2年前から特に誘因なく右足底内側部に痛みが出現。近医整形外科にリハビリに通っているが、まだ痛みが残存している。
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【現症】歩行立脚期全般で、右足底弓蓋中心部に痛みが発生する。患肢片脚立位にて外反母趾と扁平足あり。
【検査結果】単純X線写真では外反母趾角(hallux valgus angle:HVA)約24°以外、病的所見なし。下肢伸展挙上テスト陰性。
【施術と結果】単純X線写真にて骨腫瘍や石灰沈着所見が無いため、本症例の痛みは、足底弓蓋部位の筋腱群の緊張亢進によるものと考えた。また、当該筋腱群の緊張亢進は、身体の後面部として繋がっている腓腹部の筋緊張亢進が関与していると考えた。
痛みを訴える箇所には長母趾屈筋腱などが存在する事から、腓腹部の長母趾屈筋筋腹が存在すると考えられる部位(以下、部位A)を触察したところ強い筋緊張を確認したため、部位Aを施術開始箇所とした。
まず、施術者①から施術開始。約30秒で部位Aの筋弛緩を確認。痛みは10から8(NRS改変)と小さくなったと報告を受けた。変化がみられた事から、部位Aへの施術を継続する事とした。
次に、施術者②へ交代。施術開始から約30秒で部位Aの筋弛緩を確認。痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった報告を受けた。
「なかなか痛みに変化がなかったのに、こんな短時間で、こんなに変化が出て驚いた」と喜びの報告を受けた。この時点で他部位の痛みが気になると訴えられた為、本症例の施術はここで終了した。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①筆者②渡邉の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者①が行った。