【患者】30代前半 男性
【主訴】腰にいつも鈍痛が有り、少しでも体を反らすとぎっくり腰を起こしそう。
【既往歴】-
【現病歴】約5年前に初めてぎっくり腰を発症して以降、慢性的に腰部に鈍痛と倦怠感が有る。ここ1ヶ月は長時間の立位により痛みが増悪し、胸腰部伸展動作で強い痛みが生じる。
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【現症】腰部全体に安静時痛有り。胸腰部可動域(以下、ROM)は自動伸展約10°で強い痛みが生じ、ROM制限を確認。施術前の腰部押圧深は約1㎝。
【施術と結果】本症例は、約5年に亘り腰部に鈍痛が有り、胸腰部伸展動作で腰部の痛みが増悪することから、腰部全体の筋緊張が要因と考えた。
先ず、腰部を触察したところ腰部全体に強い筋緊張を確認した為、第3腰椎高位の腰部側面から緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認。結果、腰部押圧深は約1㎝から約1.5cmと大きくなり、腰部の安静時痛は10から5(NRS改変)と小さくなり、胸腰部ROMは自動伸展約20°と大きくなった。改善が見られた為、続けて同部位周辺に緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認。結果、腰部押圧深は約1.5㎝から約2cmと大きくなり、腰部の安静時痛は10から2(NRS改変)と小さくなり、胸腰部ROMは自動伸展約30°と大きくなった。胸腰部伸展動作での運動痛は残存しているものの日常生活上のROM制限は確認できなくなった。
次に、胸腰部伸展動作で最も痛みを感じる部位を示してもらったところ、両上後腸骨棘周辺を示した。その直上の腰部を触察したところ筋緊張を確認した為、緩消法を約5分施術し筋弛緩を確認。結果、胸腰部伸展動作での運動痛は10から3(NRS改変)と小さくなった。
痛みが全て消失したわけではないが、腰部の筋緊張を弛緩することで痛みが緩和することを実感していただくことができ、完治に向けて希望が持てると仰った。