【患者】90代前半 男性
【主訴】右脚に体重をかけると右腰から右太ももに痛みが出て思うように歩けない。
【既往歴】胃がん術後 仙骨右側骨折
【現病歴】
6か月前に転倒。1か月後に痛みが発生した為、近医整形外科を受診し仙骨右側の骨折が判明した。骨折の完治後(2か月前)より訪問リハビリにて歩行練習を始めてから主訴である右単脚荷重時痛が発生するようになった。歩行が困難であるために寝て過ごすことが多くなってしまっている。
続きを読む
【現症】
右単脚荷重時痛があるため、杖を使用して歩行している。また、段差では痛みの為、左遊脚動作が困難である。
痛みの発生する部位は、右臀部、右下前腸骨棘周辺、右大腿外側面。
【施術と結果】
本症例は、骨折完治後にリハビリでの歩行練習を開始してから発生した右単脚荷重時痛を訴えており、触察にて熱感・腫脹は確認出来なかったことから痛みの要因は筋緊張による血行不良と考えた。立位での痛みの発生部位は多数であった為、椅坐位で痛みを一番感じる部位を指差していただくと、胸腰部右側屈時に右下前腸骨棘下縁を示された。
先ず、同部位に約1分施術を行い筋弛緩を確認。歩行可能か否かも含め、歩行にて痛みを確認していただくと痛みは10から0(NRS改変)と消失し、右臀部に痛みを感じるようになったと報告を受けた。
次に右臀部の痛みを訴える部位上方の腸骨稜上縁の筋を触察し、筋緊張を確認した為、同部位に約2分施術し筋弛緩を確認した結果、右臀部の歩行時痛も10から0(NRS改変)となった。
同伴されていた娘さんからの「普通に歩いても痛みはないの?」との問いに患者さんご本人が「痛みは感じないね」と仰られておりました。お越しの際には杖を使用し、辿々しい足取りでしたが、お帰りの際には杖を持たれてお帰りになられました。