【患者】80代後半 女性
【主訴】両耳とも聞こえが悪く、特に左耳の方が聞き取れない。右耳だけパカパカ音がする。
【既往歴】―
【現病歴】約5年前から徐々に聴力が低下し、コミュニケーションが取りづらく日々ストレスを感じている。特に低い声が聞き取りづらく、右耳に比べて左耳の方が聞き取れない。また、耳を手掌で圧迫しながらマッサージをすると右耳だけパカパカ音が発生する。
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【現症】右耳に比べて左耳の聞こえやすさは主観で5割程度。同伴者の息子が約1.5m離れたところから声掛けしても何を話しているのか理解できない。また集音器スピーカーでテレビを見ても内容が理解できない。
【施術と結果】本症例は、難聴を訴えているが、聴力が完全に消失していないことから、耳介後方を走る外頚動脈の枝である後耳介動脈周辺の血行不良が難聴の要因と考えた。
はじめに、耳介後方の側頭骨乳様突起周辺を触察したところ、顎二腹筋後腹の起始部周辺に筋緊張を確認した。また、右に比べ左の筋緊張が強く圧痛を伴う。筋緊張部位に緩消法を約2分施術し、筋弛緩を確認した結果、同伴者の息子が約1.5m離れたところから声掛けしたときの話しの内容が一部理解できた。また、テレビの音量が主観で2割程度大きく聞こえるようになったが、内容は理解できなかった。
筋緊張と圧痛が残存していることから、引き続き筋緊張部位に約1分施術し、筋弛緩を確認した結果、左側の圧痛は主観で8割程度減少した。また、施術中左耳の奥に圧迫感や耳閉感のようなものを感じるようになってきたとの報告を受けた。
次に、頚部筋群の筋緊張が内耳への血液循環を悪化させ、難聴及び圧迫感や耳閉感が引き起こされていると考え、頚部左側面を触察したところ、左胸鎖乳突筋の筋緊張を確認した。筋緊張部位に約3分施術し、筋弛緩を確認した結果、テレビの音量が主観で3割程度大きく聞こえるようになったが、左耳の奥の圧迫感や耳閉感に変化はなかった。
圧迫感や耳閉感の要因として、内耳への血行不良により、内耳にリンパ液が過剰に溜まり引き起こされている可能性があると考え、耳介前方の下顎窩周辺を触察したところ、筋緊張を確認した。また、左右共に圧痛を伴う。筋緊張部位に緩消法を約1分施術し、筋弛緩を確認した結果、テレビの音量が主観で5割程度大きく聞こえるようになり、右耳と左耳の聞こえやすさに差がなくなってきたとの報告を受けた。改善が見られたことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に約3分施術し、筋弛緩を確認した結果、テレビの音量が主観で7割程度大きく聞こえるようになった。
次に、耳介周辺及び頚部周辺の筋緊張の要因として、腹側の正中から左右約10cmの第10肋骨下縁周辺の筋緊張が影響していると考え触察したところ、左右共に筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約8分施術し、筋弛緩を確認した結果、右耳を手掌で圧迫しながら動かしたときのパカパカ音は主観で8割程度軽減し、圧迫感や耳閉感も8割程度軽減したとの報告を受けた。また、同伴者の息子が約1.5m離れたところから声掛けしたときの話しの内容が一部理解できた。
次に、耳介周辺及び頚部周辺の筋緊張のもう一つの要因として、最長筋の過緊張が考えられ、最長筋の過緊張は腰部筋群の筋緊張が影響していると考えられることから、腰部側面の施術に移行した。腰部側面の筋緊張部位に緩消法を約13分施術し、筋弛緩を確認した結果、同伴者の息子が約1.5m離れたところから声掛けしたときの話しの内容とテレビの内容がはっきりと理解できた。
お友達との会話が日々困難になっていくことに不安を感じていたが、改善が見られたことで表情が明るくなり、大変喜んで頂けた。
【施術と結果】本症例は、難聴を訴えているが、聴力が完全に消失していないことから、耳介後方を走る外頚動脈の枝である後耳介動脈周辺の血行不良が難聴の要因と考えた。
はじめに、耳介後方の側頭骨乳様突起周辺を触察したところ、顎二腹筋後腹の起始部周辺に筋緊張を確認した。また、右に比べ左の筋緊張が強く圧痛を伴う。筋緊張部位に緩消法を約2分施術し、筋弛緩を確認した結果、同伴者の息子が約1.5m離れたところから声掛けしたときの話しの内容が一部理解できた。また、テレビの音量が主観で2割程度大きく聞こえるようになったが、内容は理解できなかった。
筋緊張と圧痛が残存していることから、引き続き筋緊張部位に約1分施術し、筋弛緩を確認した結果、左側の圧痛は主観で8割程度減少した。また、施術中左耳の奥に圧迫感や耳閉感のようなものを感じるようになってきたとの報告を受けた。
次に、頚部筋群の筋緊張が内耳への血液循環を悪化させ、難聴及び圧迫感や耳閉感が引き起こされていると考え、頚部左側面を触察したところ、左胸鎖乳突筋の筋緊張を確認した。筋緊張部位に約3分施術し、筋弛緩を確認した結果、テレビの音量が主観で3割程度大きく聞こえるようになったが、左耳の奥の圧迫感や耳閉感に変化はなかった。
圧迫感や耳閉感の要因として、内耳への血行不良により、内耳にリンパ液が過剰に溜まり引き起こされている可能性があると考え、耳介前方の下顎窩周辺を触察したところ、筋緊張を確認した。また、左右共に圧痛を伴う。筋緊張部位に緩消法を約1分施術し、筋弛緩を確認した結果、テレビの音量が主観で5割程度大きく聞こえるようになり、右耳と左耳の聞こえやすさに差がなくなってきたとの報告を受けた。改善が見られたことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に約3分施術し、筋弛緩を確認した結果、テレビの音量が主観で7割程度大きく聞こえるようになった。
次に、耳介周辺及び頚部周辺の筋緊張の要因として、腹側の正中から左右約10cmの第10肋骨下縁周辺の筋緊張が影響していると考え触察したところ、左右共に筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約8分施術し、筋弛緩を確認した結果、右耳を手掌で圧迫しながら動かしたときのパカパカ音は主観で8割程度軽減し、圧迫感や耳閉感も8割程度軽減したとの報告を受けた。また、同伴者の息子が約1.5m離れたところから声掛けしたときの話しの内容が一部理解できた。
次に、耳介周辺及び頚部周辺の筋緊張のもう一つの要因として、最長筋の過緊張が考えられ、最長筋の過緊張は腰部筋群の筋緊張が影響していると考えられることから、腰部側面の施術に移行した。腰部側面の筋緊張部位に緩消法を約13分施術し、筋弛緩を確認した結果、同伴者の息子が約1.5m離れたところから声掛けしたときの話しの内容とテレビの内容がはっきりと理解できた。
お友達との会話が日々困難になっていくことに不安を感じていたが、改善が見られたことで表情が明るくなり、大変喜んで頂けた。