【患者】20代後半 女性
【主訴】首を回すと痛く、上にも向けず、運転が怖い。
【現病歴】3日前に信号停止中に後方より車で追突され、事故翌日に近位整形外科を受診。頚部関節可動域(以下、ROM)制限が見受けられ、同時に痛みが発生。
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【現症】安静時痛は無し。頚部ROMは自動で、右回旋約10°・右側屈約10°・左回旋約20°・左側屈20°・伸展約10°とROM制限が見受けられ、同時に頚部に痛みが発生。運転動作時の視界確保には胸腰部回旋を伴わないと困難な状態。
【施術内容・結果】本症例は、3日前に起こった交通事故によるものであるが、触察したところ熱感も無く、目視しても組織損傷も確認できなかった為、頚部ROM制限と痛みの要因は頚部周辺の筋緊張によるものと考えた。
触察により、側頭乳様突起から第7頚椎にかけて左側・右側に筋緊張を確認。はじめに頚部左側の筋緊張部位に緩消法を約1分施術、同様に頚部右側を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、痛みが10から8(NRS改変)と小さくなった為、引続き同部位を左側・右側共に約2分施術。筋弛緩を確認した結果、痛みが10から5(NRS改変)と小さくなり、頚部ROMは自動で右回旋約20°・右側屈約20°・左回旋約40°・左側屈40°・伸展約20°と大きくなった。さらに頚部ROM制限が大きく見受けられる右回旋・右側屈に対して、頚部左側の筋緊張部に約5分施術。筋弛緩を確認した結果、頚部ROMは自動で右回旋約40°・右側屈約40°と大きくなった。引き続き頚部左側・右側共に約5分施術し筋弛緩を確認した結果、頚部ROMは自動で右回旋約50°・右側屈約50°・左回旋約50°・左側屈50°・伸展約40°と側屈は左側・右側共にROM制限は見受けられなくなり、他は大きくなった。この時痛みも10から2(NRS改変)と小さくなった。
確認の為、自動車の運転席で視界確保動作を行うと、支障なく行えるとの報告を受け、来院までの怖かった運転が、帰りは不安なくできそうだととても喜んでいた。