【患者】10代後半 男性
【主訴】昨日の練習後から右足首が腫れて痛く歩くのも大変。
【既往歴】ー
【現病歴】高校で水泳をしていて全国大会にも出場する位のアスリートであり、毎日の練習量が多い。1ヶ月程前から右足関節に違和感があったが練習を続けていたところ、前日の練習後から強い痛みを感じるようになった。荷重歩行時に痛みがあり、跛行を呈する状態で整形外科には受診せず当院に来院された。
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【現症】右足関節に安静時痛はなく
熱感や発赤は確認できないが外果周辺に軽度の腫脹は確認した。痛みは
外果下方に限局され、可動域制限は認められない。足関節の他動運動は可能であった。
【施術と結果】本症例は前日の水泳練習後に発現した右足関節痛である。ご本人から練習中には痛みは感じなかったとの証言を得た為、足関節周辺の筋緊張による血行不良が要因であろうと考察した。
ただ、外傷の可能性も否定できないと考え目視及び触察したところ、熱感や発赤はなかったが軽度の腫脹が確認できた為、痛みを訴える外果下方周辺を直接施術する事は避け、外果より近位の筋緊張部位を施術する方針を立てた。
先ず外果より近位約5cm程の伸筋周辺に触察により筋緊張を確認した。同箇所に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、歩行時痛は10から7(NRS改変)となった。効果が確認できた為、同箇所からさらに約5cm程近位に範囲を広げ緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、歩行時痛は10から6(NRS改変)と小さくなったが、思った程の変化がないと判断し、次に腫脹の改善を目的として右上前腸骨棘周辺を触察し筋緊張を確認し、緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、右足関節の腫脹が目視により明らかに(約8割程)軽減したと思われた。
そして歩行時痛は10かれ3(NRS改変)となった。痛みは残存するものの跛行は認められなくなった為、その後は下肢血行不良の根本と考える腰部の筋緊張を触察により確認し、約20分弛緩し終了した。
結果的に7割の痛みが改善し、3週間後に試合が迫ってきていた事もあり、とりあえず安心した様子でした。その後1週間後に再来院した際には痛みは消失し、何でもないと笑顔で報告を受けました。