【患者】60代前半、女性
【主訴】腰に靄(もや)がかかったような違和感と痛みがある。
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】約3ヶ月前から特に誘因なく腰痛が発生。仕事で入浴介助をするので、そのせいかもしれないとのこと。動作時にキヤッとする痛みが出ることが多く、介護の仕事に支障を来たしている。
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【現症】腰部全体的に靄がかかったような違和感と痛みあり。仰臥位から起きる動作で同部に痛みが出現する。
【検査結果】レントゲンでは、第3〜第5腰椎に変形性変化あり。腰椎MRIでは、第4・5腰椎左右椎弓に浮腫像あり。
【施術と結果】MRIの所見から第4・5腰椎の疲労骨折新鮮例と考えられる。しかし、緩消法施術時に通常患者に行ってもらう「椅座位での胸腰部左右側屈動作」にて痛みが誘発されないため、腰部筋群の筋緊張を軽減させることで今の痛みを減らすことができないかと考え、試験的な意味も含めて、ご本人にその旨説明・了承を得た上で腰部筋群に施術を行うこととした。
痛みを訴える範囲が腰部背面全体的という事から、側面から施術を開始する事とした。開始前押圧深は約2cmだった。まずは、施術者①から開始、約15分で靄がかかったような違和感は主観で半減し、痛みは10から5(NRS改変)と小さくなったと報告を受けた。押圧深は約2.5cmとなった。
効果が見られた事から、同部位への施術を継続する事とした。続けて施術者②に交代し、約15分後、押圧深が約3cmになったことを確認。靄がかかったような違和感は主観で8割減少したが、痛みの変化は見られなかった。ここで施術時間終了となったが、靄のかかり具合と痛みが減少した事には、驚きと満足の報告を受けた。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①筆者・②秦の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は②が行った。