【患者】40代前半 女性
【主訴】3年前から首痛になり手術後も痛みが治らず辛い。下に引っ張られる様な感覚があるので体全体を緩めて欲しい。
【既往歴】左頚肋除去術後(2年前)
【現病歴】約3年前に特に誘因なく頚部痛が発現し、近医整形外科を始め整体、鍼灸院、整骨院等複数箇所通院した。2年前に検査の結果、判明した頚肋の存在が痛みの原因と説明を受け、左右存在するが痛みが優位な左頚肋の除去手術を受けた。その後も痛みは治らず、現在は月に一回ブロック注射を打ち、痛み止めの薬を飲んで何とか生活している。
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【現症】日動差はあるが安静時痛があり、引張感がある。痛みが発現する箇所は第7頚椎(以下、C7)から左外側約5cmくらいの範囲であり、あらゆる方向に対しての運動により痛みは増悪する。頚部関節可動域制限は認められない。左肩甲骨を上方に引き上げる動作によっても痛みが顕著である。
【施術と結果】本症例はC7から左外側へ約5cmの範囲の安静時痛、運動痛を訴えているが、触察により熱感、腫脹が認められなかった為、痛みの要因は筋緊張による血行不良であろうと考えた。
先ず、一番痛みを感じる箇所を指差ししていただき、同箇所に緩消法を約30秒行い筋弛緩を確認した。その結果、C7から左外側へ約5cmの範囲の安静時痛が10から7(NRS改変)となった。効果が認められた為、更に痛みを訴える箇所に約1分緩消法を行ったが、他動運動であれ継続的動作は痛みが増悪する結果となった。
したがって施術の方針を変更し、頚部を含む肩甲帯の筋緊張の根本的要因と考える腰部の筋緊張を弛緩する事とし、触察すると腰部全体の筋緊張が確認できた為、第2第3腰椎(以下、L2.L3)高位の腰部真横から正中に向かって緩消法を約10分行い、筋弛緩を確認した。続けてL2高位の中心から左外側に約5cmの位置に触察により筋緊張が確認できた為、同部位に緩消法を約1分行い、筋弛緩を確認した。その結果、ご本人の主観でC7から左外側に約5cmの範囲の引張感は主観で約8割軽減し安静時痛も10から2(NRS改変)となり、運動痛は10から7(NRS改変)となった。筋の緊張を弛緩すれば症状が改善する事を実感し、納得していただけた様子で大分軽くなったと喜んでいただけました。