【患者】40代後半、男性
【主訴】歩く時などに左脚の付け根が痛い
【既往歴】特記事項なし
【現病歴】20代の頃から腰痛持ち。約1年前から特に誘因なく、椅子からの立ち上がり時や歩行時に、左鼠径部に痛みを感じるようになった。歩行時痛は、特に歩行開始時の荷重時に強い。
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【現症】椅子からの立ち上がり時と歩行開始時の荷重時に左鼠径部に痛みあり。
【検査結果】左Patrick test陽性。股関節レントゲン写真にて変形性変化なし。
【施術と結果】本症例は、別途今回報告をする3症例の症状とも関わりの深い腰部側面の筋緊張から弛緩する事が効果的なのではないかと考えた。
触察にて腰部左側面に右側面と比して強い筋緊張を確認し、施術開始部位とした。なお、開始前の腰部側面押圧深は約1cmだった。まずは施術者①の施術開始から約5分で押圧深は約5mm増の約1.5cmとなり痛みは10-8(NRS改変)と小さくなったと報告を受けた。効果がみられた事から、同部位への施術を継続する事とした。
以下同様に、痛みの確認は、筋弛緩の評価として押圧深約5mm増毎に行い、施術者の交代をした。約10分後、痛みは10-6(NRS改変)、更に約10分後に痛みは10-5(NRS改変)、その約15分後に痛みは10-3(NRS改変)、その約10分後に痛みは10-1(NRS改変)と順に小さくなっていった。
最終的な押圧深は約3.5cmとなった。痛みは気にならない程まで小さくなったと報告を受けた。なお途中には、別部位の症状変化を同時に確認しながら行った。
【その他】今回報告する4つの関連症例(症例113~116)は、当院にて、緩消法認定技術者の①渡邉・②筆者の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者②が行った。