長年に渡り起立動作で生じる腰部の痛みが消失した一例

【現症】椅座位からの起立動作で腰部に痛みが発生。安静時には腰部に倦怠感有り。胸腰部関節可動域（以下、ROM）は自動で屈曲約30°で痛みが生じる。胸腰部に日常生活上のROM制限は確認できなかった。施術前の腰部押圧深は両側約1㎝。
【施術と結果】本症例は、目視と触察により腰部に腫脹や熱感が確認できず、椅座位からの起立動作で腰部の痛みを訴えており、安静時にも腰部に倦怠感を感じていることから、腰部の筋緊張が要因と考えた。
　 腰部を触察したところ腰部全体に強い筋緊張を確認した為、先ず腰部側面から緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部押圧深は両側約1.5cmと大きくなり、椅座位からの起立動作での腰部の痛みは10から5（NRS改変）と半減し、胸腰部ROM自動屈曲約30°での痛みは10から7（NRS改変）と小さくなった。
　 改善が見られた為、続けて腰部側面に緩消法を約20分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部押圧深は両側約2.5cmと大きくなり、椅座位からの起立動作での腰部の痛みは10から0（NRS改変）と消失し、胸腰部ROM自動屈曲約30°での痛みは10から3（NRS改変）と小さくなった。
　 主観により安静時の腰部の倦怠感も消失し、「すっと立てるようになった」と喜びの声をいただいた。