両股関節の拘縮で靴を履きにくかったが、履きやすくなった一例

【現症】ベッド端座位での靴を履く動作で、手が靴に届かず靴ベラが必要な状態。仰臥位での股関節可動域（以下、ROM）は、他動屈曲が右約60°・左約70°。
【検査所見】－（当院での画像検査は未実施）
【治療と結果】まず仰臥位にて両鼠径部を触診すると、両鼠径部とも筋緊張が高いと感じた。
　 まず、右鼠径部の筋緊張が高い部分に緩消法を実施。約2分後、同部の筋弛緩を確認。しかし、ベッド端座位での靴を履く動作に変化はなかった。触診範囲を大腿伸側まで広げると、大腿四頭筋群にも筋緊張が高い部分を感じたため、その部分にも実施。約10分後、同範囲の筋弛緩を確認。ベッド端座位での靴を履く動作は施術前と比し、主観で、少し楽とのことだった。
　 左右とも改善させる必要があるため、次に左鼠径部への施術へと移った。左鼠径部および大腿四頭筋群に同様に施術。約10分後、右鼠径部と同等の筋弛緩を確認。ベッド端座位での靴を履く動作は施術前と比し、主観で、少し楽になったとのことだった。以降、左右の鼠径部から大腿四頭筋群に対して残りの施術時間で同様に実施。
　 約10分後、ベッド端座位での靴を履く動作で、片方ずつではあるが指が靴に届き、靴ベラが不要になった。主観で、股関節が曲げやすくなり靴が履きやすくなった、と喜んでいただけた。