【患者】60代後半 男性
【主訴】両足が痛くて歩くのが辛い、自動車整備のため車の下を仰向けで作業をすると自力で起き上がる事が出来ないため毎回誰かに起こしてもらっている。自分で起きれるようになりたい。
【既往歴】脳梗塞(約10年前、左半身麻痺)、脳梗塞(約9年前、右半身麻痺)、脳梗塞(約1年前、左半身麻痺)
【現病歴】3回の脳梗塞によって徐々に日常動作に支障がでてきたが、幸い両上肢の麻痺は残存しておらず、自動車整備士としての仕事は続けている。しかし、約9年前の脳梗塞後から右膝関節痛があり、約1年前の脳梗塞からは両下腿前面にも疼痛がある。
続きを読む
【現症】歩行時に両下腿前面、右膝関節痛のため歩行困難である。
【施術と結果】本症例は、脳梗塞を発症した後から続いている両下腿前面痛及び右膝関節痛を訴えているが、慢性的な痛みであることからその要因は腰部の筋緊張による血行不良と考えた。
触察によって腰部全体に筋緊張を確認した、腰部の筋緊張は腰部側面の筋緊張が要因だと考え腰部側面の押圧深を計測すると左約3.0cm・右約2.5㎝であった。同部位に対し緩消法にて約5分施術し筋弛緩を感じたため痛みを確認した結果、左下腿前面の痛みが10→0(NRS改変)と消失した。
症状の軽減を確認できた事からさらに約30分施術した結果、腰部側面の押圧深は左約5.0・右約4.5cmとなり、右下腿前面および右膝の痛みは10から0(NRS改変)と消失し、本人主観で歩行も楽になったとご報告いただけた。また、床からの起き上がり動作も介助なしで出来るようになり本人と付き添いのご家族も大変驚かれていた。