【患者】60代前半女性
【主訴】両方の親指の付け根が痛い
【既往歴】ー
【現病歴】約1ヶ月前から理由なく痛みが発生し、事務仕事で頻繁に母指を使うことで悪化、近医整形外科受診し母指CM関節症と診断されテーピングと外用薬処方される。なかなか改善せず、物を把持する動作で痛む。
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【現症】把持する動作にて第1手根中手骨関節(以下、母指CM関節)周辺部に疼痛発生。500mlのペットボトルが持ち上げられない。
【施術と結果】本症例は母指CM関節周辺部の痛みが約1ヶ月に渡り残存していて慢性化している為、患部周辺部の筋緊張が痛みの要因の1つと推測し、痛みが残存している原因として、腰部の筋緊張による上肢への血行不良であると考えた。
まず痛みがひどい左手関節背側橈側近位の筋緊張に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。痛みが10から5(NRS改変)と右母指と同じほどの痛みとなった。左肘内側の筋緊張もひどいため、その周辺に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。痛みが10から0(NRS改変)と消失した。次に右手関節橈側近位の筋緊張に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。痛みが10から5(NRS改変)と小さくなった。さらに同じ箇所に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。痛みが10から0(NRS改変)と消失した。
500mlのペットボトルの把持は問題なく移動することができる様になった。
次に原因と考えた腰の側部を触察すると体表より押圧深約2cmを確認した。緩消法を約10分行い筋弛緩が確認でき押圧深約4cmとなった。両母指の動きもスムーズになり軽くなったので、驚きとともに大変喜んで頂いた。早く良くなりたいということで通いたいと話され終了した。