車椅子を押した際に発症したぎっくり腰の痛みが一回で改善した一例

【現症】安静時痛はないが、コルセット未着用では歩行痛、胸腰部屈曲動作が困難である。胸腰部関節可動域(以下、ROM)は自動で屈曲約10°である。痛みは左右仙腸関節周辺に発現する。左右差は認められない。
【施術と結果】本症例は所謂、ぎっくり腰の症状であるが、安静時痛が認められない事、そして触察により熱感、腫脹が認められなかった為、痛みの要因は外傷性ではなく、筋緊張による血行不良であろうと考えた。
　 先ず痛みを訴える左右仙腸関節周辺の真上である左右腸骨稜上縁を触察すると筋緊張が確認できた為、同部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、歩行痛は10から6(NRS改変)となった。胸腰部ROMは自動で屈曲約20°になり、胸腰部屈曲時の痛みは10から6(NRS改変)となった。効果が認められたが、腰部側面の腹斜筋辺りの筋緊張が強い事を触察により確認した為、同部位の筋緊張を弛緩した方が改善が早いと考え、施術箇所を第3腰椎高位の腰部側面に変更し緩消法を約20分行った。
　 その結果、押圧深約4cmまで筋弛緩でき歩行痛は10から0(NRS改変)と消失し、胸腰部ROMは自動で屈曲約60°まで可能になり胸腰部屈曲時痛も10から0(NRS改変)と消失した。30分足らずの施術で辛かった急性腰痛が解消され、驚きと喜びの表情での報告でした。