【患者】50代後半 男性
【主訴】1ヶ月くらい前から右のお尻が痛い
【既往歴】糖尿病
【現病歴】1ヶ月くらい前から特に要因はなかったが、右殿部痛が発現し、自分でセルフケアを試みたが改善する様子がなく来院された。
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【現症】痛みは右中殿筋辺りであり、安静時痛があり、騎座位からの立ち上がり時などの動作開始時痛や歩行痛があり、跛行を呈する。トレンデレンブルグ兆候は確認できない。圧痛は確認した。実際には腰部痛も認められるが、この症例報告は殿部痛の改善についてのみ記載する。
【施術と結果】本症例は右殿部痛を訴え、跛行を呈しているがトレンデレンブルグ兆候が認められない為、痛みの要因として中殿筋辺りの筋緊張による血行不良が考えられ、根本的な要因は腰部の筋緊張ではないかと考えた。また、発痛部位を触察し、腫脹や熱感がない事が確認でき、さらに発症機転から外傷性ではないと考えた。
触察により中殿筋辺りに圧痛を確認した為、右中殿筋の血行不良が起こる要因として右中殿筋の真上の位置である右腸骨稜上縁辺りの筋緊張ではないかと考察した上で触察すると、明らかな筋硬結の様な固まりを確認できた。同部位に緩消法を約2分行うと筋硬結の様な固まりが確認できなくなり、筋運動がスムーズになった事を触察により確認できた。その結果、右中殿筋の安静時痛及び動作痛は10から0(NRS改変)となり、歩行も正常になった。
短時間で劇的に痛みが消え大変喜んで頂きました。