1年半前に骨折した小指の手術後に発現した環指の屈曲障害が改善した例

【現症】左環指近位指節間関節および左環指遠位指節間関節の関節可動域（以下、ROM）を目視で認める。指尖と近位手掌皮線との距離約4㎝
【治療と結果】本症例は1年半前に骨折した小指の手術後に発現した環指の屈曲障害を訴えているが、その要因は前腕の屈筋群および伸筋群の筋緊張か癒着によるものと考えた。
　 先ず前腕尺側の屈筋群を触察したところ肘関節から下方約4㎝の範囲に筋緊張を確認し緩消法にて約1分施術し筋弛緩を確認した結果、指尖と近位手掌皮線との距離は約３㎝と小さくなった。次に前腕尺側の伸筋群を触察したところ肘関節から下方約4㎝の範囲に筋緊張を確認し緩消法にて約1分施術し筋弛緩を確認した結果、指尖と近位手掌皮線との距離は約２㎝と小さくなった。最後に左環指中手指節間節の屈筋腱周辺に筋緊張を確認し緩消法にて約1分施術し筋弛緩を確認した結果、指尖と近位手掌皮線との距離は約1㎝と小さくなった。
　 触察にて関節の拘縮も感じられたことから、風呂などで温めた後ストレッチをするように勧め本日の施術を終了した。
「1年半も固まって動かなかった指がこんな簡単に動くんですか？」と驚かれて帰路についた。