【患者】50代後半、女性
【主訴】仕事をしていると、夕方、腰がすごく痛くなる
【既往歴】側弯症(19才~)
【現病歴】19歳時に近医整形外科にて側弯症を指摘された。成人して仕事をするようになってから、腰痛持ちになったとのこと。これまでに複数の整形外科・施術院に通院歴あり。約1年前から特に誘因なく悪化してきており、この1年間で急性腰痛症に4回なった。日常生活における一番気になる腰痛は、仕事(デスクワーク)を朝からしていると夕方に強い腰痛に襲われる。
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【現症】安静時の腰痛なし。椅座位での胸腰部左回旋(以下、動作①)約45°で、また、立位での胸腰部後屈(以下、動作②)約5°で痛みあり。痛みは、第3~4腰椎高位の棘突起から左右約6~8cm付近にあり。
【検査所見】立位胸腰部前屈動作(Forward bending test)で右肋骨隆起(Rib hump)を軽度認める。
【治療と結果】本症例の腰痛は、安静時痛がなく、体動時や夕方の筋疲労時に発生することから、筋由来のものと推察した。
まず、痛みが一番気になる所を指で示してもらい、その部分に緩消法を実施。約2分後、同部の筋弛緩を確認。動作①での痛みは10から5(NRS改変)、動作②約5°の痛みは10から8(NRS改変)と共に小さくなった。
効果があったため、同部に続けて実施。約5分後、動作①での痛みは10から3(NRS改変)と小さくなり、動作②約5°の痛みは消失し約15°まで可能となった。約15°での痛みは当初の痛みと比し10から5(NRS改変)と小さくなっていた。
現在の残存痛は、腰部筋群全体の筋緊張亢進と関連があると考え、痛みを感じる部分の周囲にも緩消法を実施。約20分後、施術部の筋弛緩を確認。動作①約45°での痛みは10から0(NRS改変)と消失。また、動作②約15°での痛みは消失し約30°まで可能となった。約30°での痛みは当初と比し10から1(NRS改変)と小さくなっていた。ここで施術時間が終了。
長時間のデスクワーク後に感じる腰痛の強さの変化に関してはこの施術中には評価できないが、腰部筋群の筋緊張が軽減したことにより、減少することが考えられる。後日、「仕事の時に痛みは出たがすごく軽くて楽だった」と報告を受けた。