へバーデン結節との診断を受けた方の左手指の痛みによる把握動作困難が10分以内の施術で改善した例

【現症】左示指・中指遠位指節間関節(以下、DIP関節)に痛みがあり、把握動作が困難。指尖手掌間距離(以下、TPD)は約2cmであった。
【施術と結果】本症例は左示指・中指の痛みによる把握動作困難を訴えており、目視にて左示指・中指DIP関節に深指屈筋腱の肥大と考えられる腫脹が確認できることから、左示指・中指DIP関節周辺に深指屈筋腱の肥大が痛みと把握動作困難の一つの要因であると考えた。
　 触察にて左示指・中指DIP関節に深指屈筋腱の肥大を確認。それぞれ緩消法にて約2分弛緩したところ、左示指・中指の痛みが10から6(NRS改変)となった。TPDに変化はなかった。左示指・中指DIP関節周辺の深指屈筋腱の肥大は左前腕屈筋群の筋緊張により誘発すると考え、触察し、筋緊張を確認。緩消法にて約2分弛緩したところ、左示指・中指の痛みが10から3(NRS改変)となり、TPDは約1cmとなった。
　 同部位の筋緊張が残存していたため、引き続き同部位を緩消法にて約2分弛緩したところ、左示指・中指の痛みが10から0(NRS改変)となり、TPDは0cmとなり、把握動作が可能となった。左示指・中指の痛みが消失し、把握動作が可能となったため、左前腕屈筋群の筋緊張は腰部側面の筋緊張により誘発されることを説明し、腰部側面の施術に移った。触察にて腰部側面の筋緊張を確認。緩消法にて約15分弛緩し、施術を終了した。
　 「指の先まであったかくなってきた。力を入れて物をしっかり握る事ができてうれしい」と笑顔で帰路につかれた。