【患者】20代後半 男性
【主訴】お尻から両足の裏側が痛く痺れもある。
【既往歴】ー
【現病歴】約6ヶ月程前から特に誘因なく殿部から左右の下肢痛及び痺れが発症した。普段、建設関係の仕事をしている為、重労働を余儀なくされる。近医整形外科を受診し検査の結果、腰椎椎間板ヘルニアと診断され、ブロック注射を計10回打ち鎮痛薬を服用し続けた。最終的には手術を勧められたが、ご本人が中学生時代に膝痛で当院に来院し、良くなった過去を思い出し当院に来院された。
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【現症】痛みは左右殿部から末梢の下肢後面にかけての痛みと痺れがあり、痺れは足趾までの範囲に及ぶ。安静時痛もあり、座位から立ち上がる際に顕著に痛みが発現し、左側優位である。
【施術と結果】本症例は殿部並びに左右下肢痛、痺れを訴えていて腰椎椎間板ヘルニアとの診断を受けているが麻痺症状が確認できない事から、痛みや痺れの要因は腰部の筋緊張による血行不良であろうと考察した。
先ず、触察により腰部の筋の状態を確認すると筋緊張が著明であった。特に左右腸骨稜上縁周辺に強い筋緊張を確認した為、痛みを訴える大腿部後面の真上にあたる左右腸骨稜上縁周辺に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、左右殿部並びに左右大腿部後面の痛みが10から8(NRS改変)となった。効果が現れた為、更に同部位に緩消法を約5分行い筋弛緩を確認した結果、痛みの変化は確認出来なかったが下肢の痺れが左右足底部、足趾を除き主観で消失したとの報告を受けた。
短時間で効果を実感していただいた為、その後は根本的に症状を改善させる目的で腰部全体の筋弛緩の為に腰部側面の筋緊張部位を触察により確認し腸骨稜上縁も含めて緩消法を約30分行い筋弛緩を確認した。その結果、座位時の安静時痛は10から0(NRS改変)と消失し、主観として足趾の僅かな痺れのみとなった。椅子からの立ち上がり動作時の殿部から大腿部後面の痛みは右側は10から0(NRS改変)と消失し、左側は10から5(NRS改変)と減少した。手術を勧められていただけに一度の施術で症状が軽減し安堵の様子でした。