【患者】70代後半、女性
【主訴】膝が痛くて正座ができなくなった
【既往歴】高血圧症、脳梗塞
【現病歴】約1ヶ月から、特に誘因なく右膝内側に痛みが発生し、膝が曲げにくくなり、正座ができなくなった。
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【現症】正座をしようとする肢位(以下、正座肢位)をとってもらうと、膝関節可動域(以下、ROM)屈曲約120°で膝内側に痛みあり。膝蓋跳動軽度あり。安静時痛なし。熱感・発赤なし。
【検査所見】エコー検査にて、膝蓋上嚢に水腫像あり。
【治療と結果】本症例は、安静時痛や熱感・発赤が無いことから、痛風・偽痛風等の急性関節炎は否定的であるため、膝内側の筋緊張亢進によるものと考えた。
まず、膝内側の痛みを感じる部分に緩消法を実施。約2分後、同部の筋弛緩を確認。正座は不可だが、正座肢位での痛みは10から8(NRS改変)と小さくなった。効果があったため、続けて同部に実施。約5分実施するも痛みに変化がなかったため、施術部位を膝蓋骨と繋がる大腿伸側へ移行した。触診にて、大腿伸側の筋腱の緊張亢進部を探し、その部分に順に緩消法実施。約10分後、同部分の筋弛緩を確認。正座肢位での痛みは10から5(NRS改変)と半減し、約1分間の正座ができるようになった。ROMは約150°まで改善した。また、主観にて「歩きやすくなった」とのこと。
痛みは残存しているが、この時点で満足されたため施術終了となった。