【患者】40代後半 男性
【主訴】4日前のサーフィン中、波に呑まれた際に右肩を痛め右肩が回らない。
【既往歴】ー
【現病歴】過去にも右肩に負荷をかける動作をした後に痛みが発現する事は度々あった。前日までは無症状であったが、発症当日、サーフィン中に右肩関節に引張感を感じ、翌日から2日間は痛みが顕著であった。漸次痛みが軽減するも動作痛が気になり当院に来院された。
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【現症】安静時痛はなく、痛みは運動痛のみである。関節可動域は主観で多少の減少はあるようだが、概ね正常である。運動痛は肩関節90°外転位外旋時に発現する。
【施術と結果】本症例は4日前のサーフィン中のアクシデントによって発症しているが、安静時痛がなく回復傾向にあり、尚且つ、触察により右肩関節周辺に熱感、腫脹がない事を確認した為、痛みの要因は外傷性ではなく、衝撃による一時的な筋緊張による血行不良であろうと考えた。
先ず、右肩関節の運動痛が発現する右肩関節90°外転位外旋のポジションをとっていただき、右肩関節周辺の筋を触察すると、棘下筋、棘上筋辺りに顕著な筋緊張を確認した。始めに棘下筋辺りの筋緊張箇所に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、右肩関節90°外転位外旋時の痛みが10から8(NRS改変)となった。痛みの軽減がみられた為、更に同部位の筋緊張箇所に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、右肩関節90°外転位外旋時の痛みが10から5(NRS改変)となり、主観で多少感じていた右肩関節の自動での可動域制限が無くなり、動かし易くなったとの報告を受けた。
更に同部位と小円筋辺りの筋緊張を確認した為、範囲を広げ施術を約3分続け、筋弛緩するも痛みの減少を確認できなかった為、次に事前に触察により筋緊張を確認していた右棘上筋辺りに緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、右肩関節90°外転位外旋時の痛みが10から3(NRS改変)となった。
更に同部位に緩消法を数分行い、筋弛緩を確認したが痛みの変化は認められなかった。その後は右肩関節痛が以前から度々発現しているとの報告がある為、根本的に腰部の筋緊張による影響があるのではないかと考察し腰部の筋緊張を触察により確認し、同部位に緩消法を行い筋弛緩をし当日の施術を終了した。
当日、全ての痛みは解消出来なかったものの痛みが軽減し、右肩関節の可動がスムーズになったと喜びの報告を受けた。