15年前からの膝痛が悪化傾向になり歩行が辛くなった90代女性の改善例

【現症】痛みは左右膝関節共にあるが、左膝関節痛が優位である。左右膝関節共に熱感、腫脹は確認できない。安静時痛はなく運動痛のみであるが、歩行痛が顕著であり軽度の跛行を呈する。
【施術と結果】本症例は特に痛みが優位の左膝関節痛の施術結果のみを記載する。左膝関節痛は特に誘因なく発症し、触察により熱感や腫脹が確認できなかった事から、痛みの要因は膝関節周辺の筋緊張による血行不良であろうと考えた。更には根本的な要因としては下肢への血行不良は腰部の筋緊張であろうと考察した。
　 先ず、左膝関節周辺及び左大腿部前面の筋を触察し、筋緊張を確認した。触察の結果、左下肢全体の筋緊張が強い為、最初に左鼡径部周辺の筋弛緩をする事とし、左上前腸骨棘内縁を触察し筋緊張を確認した。同部位に緩消法を約1分行い筋弛緩を確認した。その結果、左膝関節の歩行痛は10から8(NRS改変)と減少した。
　 効果が確認できた為、さらに同部位の筋緊張部位を約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果、左膝関節の歩行痛は10から7(NRS改変)になった。その後は根本的な改善の為、腰部の筋緊張を触察により確認し、左右の腰部側面から中心に向かって緩消法を約15分行い筋弛緩を確認した。その結果、左膝関節の歩行痛は10から6(NRS改変)に減少し、ご本人も軽くなったとの報告でした。外見的には跛行も改善し、歩行は軽やかになられました。